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相まっての意味とは?例文でわかる使い方と注意点も紹介

本記事ではこのようなお悩みを解決いたします
  • 「相まって」の正しい意味や使い方がわからない…
  • 例文を通じて自然な表現を身につけたい…
  • 誤用を避けて、自信を持って文章に使いたい…

「相まって」という表現、日常会話やビジネスシーンで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ使おうとすると「正しい意味は?」「どんな場面で使えるの?」と迷うことも少なくありません。

この記事では、「相まって」の正確な意味とニュアンスを明らかにしながら、例文を交えてわかりやすく使い方を解説します。さらに、誤用を避けるための注意点についても触れていきますので、語彙力を高めたい方はぜひ参考にしてください。

このページの概要

「相まって」とはどのような意味?

「相まって」は、日常の会話からビジネス文書、さらには文学作品にまで幅広く使われる表現です。

この言葉の背後には「複数の要素が互いに影響し合って、ある結果や状態を生み出す」という意味が込められています。単なる足し算ではなく、要素同士が作用し合うことで、より強い効果や印象を生む点が特徴です。

読み方は「あいまって」

「相まって」は漢字で書かれることが多いですが、読み方は「あいまって」です。

「相」は「そう」とも読めますが、この場合は「互いに」「一緒に」といった意味を持ち、「まって」は「待つ」ではなく「動詞“合う”の連用形+て形」が語源とされています。

そのため、話し言葉ではひらがなで「あいまって」と表記されることもあり、意味の伝達を優先する場合には平仮名の使用も適切です。

意味:複数の要素が影響し合って作用すること

「相まって」の本質的な意味は、「二つ以上の要素が互いに作用し合って、ある結果や状況をもたらすこと」となります。

たとえば、「努力と運が相まって成功した」というように、それぞれの要素が単独では出せない効果を生み出すニュアンスがあります。

「相まって」の使用例

・彼の情熱と経験が相まって、プロジェクトは大成功を収めた。
・天候の悪さと体調不良が相まって、旅行を断念せざるを得なかった。

このように、「相まって」は原因や要因が複数絡み合って結果に繋がることを表現したいときに非常に便利な言い回しです。

「相まって」の語源と漢字表記について

「相まって」という言葉はひらがなで見かけることも多いですが、実は正式な漢字表記や語源を知ると、その意味や使い方がより深く理解できます。この章では「相まって」の成り立ちを紐解きながら、正しい使い方への理解を深めていきましょう。

正しい漢字は「相俟って」

「相まって」の正しい漢字表記は、「相俟って」と書きます。

「俟(まつ)」という字はあまり見慣れないかもしれませんが、「待つ」という意味を持つ古語的な漢字です。ただし、現代では「相俟って」と漢字で書く機会は少なく、新聞やウェブメディアなどでも多くは「相まって」とひらがなで表記されることが一般的です。

このように、現代の日本語においては意味を分かりやすく伝えることを優先して、ひらがな表記が主流となっています。

語源:「相まつ」という古い言葉からの流れ

「相まって」はもともと、「相まつ(あいまつ)」という古語が語源となっています。この「相まつ」は、「互いに待つ」「一緒に働きかける」というような意味を持ち、古い文献にも見られる表現です。

その後、時代とともに言い回しが変化し、「相まつ」が連用形+接続助詞「て」の形で「相まって」となり、現在のように「複数の要素が作用し合う」という意味で使われるようになりました。

語源を知ることで、単なる慣用句としてではなく、言葉が持つ深いニュアンスや背景を理解できるようになります。これは日本語を正しく美しく使ううえで、大きな助けになるでしょう。

「相まって」の使い方と文法パターン

「相まって」は、文章の中で原因や要因を複合的に説明する際に非常に便利な表現です。

特に、「AとBが相まって、Cの結果になった」という構文は、日本語の論理的な表現として頻繁に用いられます。この章では、具体的な文法パターンや使用上のコツについて解説します。

基本形:「AとBが相まって…」の形で使う

「相まって」は基本的に、「AとBが相まって、Cの結果になった」という構文で使われることが多いです。

この「A」と「B」は、人の性格や出来事、感情、環境要因など、さまざまな要素が当てはまります。

例文

  • 彼の豊かな発想力と実行力が相まって、新製品は大ヒットを記録した。
  • 景気の回復と輸出の増加が相まって、企業業績は大きく向上した。

このように、「相まって」は並列する2つの要因が相互に作用していることを強調する働きを持ちます。ただの「AとBでCになった」ではなく、「AとBの相乗効果でCが生まれた」というニュアンスがある点が特徴です。

ネガティブな文脈でも使える(例:熱と寒気が相まって…)

「相まって」はポジティブな結果を示す場面だけでなく、ネガティブな文脈でも自然に使うことができます。たとえば、体調不良や失敗の原因を多角的に説明したいときにも非常に有用です。

ネガティブな意味合いで用いる例文

  • 熱と寒気が相まって、一晩中眠れなかった。
  • 不安とプレッシャーが相まって、本番では実力を発揮できなかった。

このように、「相まって」は感情や身体的な症状、失敗の原因などが重なり合って悪い結果をもたらす場合にも使えるため、文脈によって幅広い表現が可能となります。

文法的には、「AとBが相まって」の形に加えて、「Aが相まって」のように一方を省略し、暗示的にもう一方を含める用法もあります。これは文脈依存になりますが、自然な日本語として使われる場面も多いため、柔軟な運用が求められるでしょう。

例文で理解する「相まって」

「相まって」は意味と構文を理解するだけでなく、具体的な文脈の中での使用例を見ることで、より自然に使いこなせるようになります。この章では、ポジティブなケースとネガティブなケースに分けて例文を紹介し、状況ごとの使い方を確認していきましょう。

ポジティブな例文(例:甘さと酸味が相まって~)

ポジティブな文脈では、「相まって」は美味しさや成功、感動などを強調するのに使われます。複数の良い要素が絡み合うことで、より高い効果や魅力を引き出すイメージです。

ポジティブな意味合いで用いる例文

  • フルーツの甘さと酸味が相まって、爽やかな味わいが広がった。
  • 彼のユーモアと誠実さが相まって、誰からも信頼される存在となった。
  • 雄大な景色と静寂な雰囲気が相まって、心が洗われるような体験だった。

このように、感覚的なものや人物の評価に使うことで、表現が豊かになります。

4‑2. ネガティブな例文(例:緊張とプレッシャーが相まって~)

一方で、ネガティブな状況を説明する際にも「相まって」は効果的です。特に、複数のマイナス要因が重なった結果を描写したいときに、自然な日本語として機能します。

ポジティブな意味合いで用いる例文

  • 緊張とプレッシャーが相まって、面接ではうまく話せなかった。
  • 寝不足とストレスが相まって、体調を崩してしまった。
  • 渋滞と悪天候が相まって、到着が大幅に遅れた。

ネガティブな内容でも、「相まって」を使うことで原因が一因ではなく複合的であることを丁寧に説明できるため、ビジネス文書や報告書でも重宝される表現です。

「相まって」の類義語と対義語

「相まって」は独特のニュアンスを持つ表現ですが、文脈によっては他の言葉に言い換えることで、より適切なトーンや意味合いを持たせることができます。

この章では、「相まって」と似た意味を持つ類義語と、反対の意味を持つ対義語について解説します。

類義語:相乗効果で/シナジーを起こして/重なりあって

「相まって」の類義語には、複数の要素が互いに良い影響を与えて、より大きな効果を生み出すことを表す語が含まれます。場面や文体に応じて使い分けることで、表現の幅が広がります。

類語表現意味・ニュアンス使用例文
相乗効果で2つ以上の要素が合わさって効果が倍増する努力と戦略の相乗効果で売上が倍増した。
シナジーを起こして特徴や強みが組み合わさって新たな価値を生む部門同士の連携がシナジーを起こして成果が出た。
重なりあって要素が重なり合い、影響を強め合う疲れと不安が重なりあって、眠れなかった。
合わさって2つ以上のものが組み合わさる美味しさと香りが合わさって、絶妙な味わいとなった。
絡み合って複数の要素が複雑に結びついて結果を生む要因が複雑に絡み合って、問題の根が深くなっている。

「シナジー」はカタカナ語でビジネス寄りの表現、「重なりあって」はやや感情的・口語的なニュアンスが強いです。

対義語:相殺/打ち消し合う

「相まって」が要素の合流によって強化・拡大することを表すのに対し、その反対となるのが「相殺」や「打ち消し合う」といった表現です。こちらは、要素同士が互いの効果を減らしたり無効化する場合に使われます。

対義語表現意味・ニュアンス使用例文
相殺(そうさい)プラスとマイナスの効果が打ち消し合い、結果が均衡する利益と損失が相殺されて、利益は出なかった。
打ち消し合う互いの効果が逆方向に作用し、影響がなくなる意見が打ち消し合って、結論が出せなかった。
中和する作用や性質を打ち消して、目立たなくする酸とアルカリが中和して、反応が穏やかになった。
無効にする効果や結果を取り消す、または効力を失わせるそのミスがすべての努力を無効にしてしまった。
分断されて要素同士が結びつかず、相互作用が起こらない関係部門が分断されていて、連携がうまくいかない。

これらの表現を正しく使い分けることで、文章の論理性や説得力が一層高まるでしょう。

「相まって」を英語で言うと?

「相まって」は日本語特有の表現に見えますが、英語にも似た意味を持つ言い回しがあります。

特に、複数の要素が同時に作用して何かを引き起こすという概念は、英語でも頻繁に使われます。この章では、「相まって」に相当する英語表現とその使い方を具体的に解説します。

combined with/coupled with の訳語例

「相まって」に近い英語表現として、以下のようなフレーズが挙げられます。

  • combined with(〜と組み合わさって)
  • coupled with(〜と相まって)
  • together with(〜と一緒に)
  • in combination with(〜との組み合わせで)

これらの表現はいずれも、「AがBと合わさってCになる」という構造を英語で表現する際に使われる定番の言い回しです。

例文

  • His experience, combined with his strong leadership, made him the perfect candidate.
    (彼の経験と強力なリーダーシップが相まって、彼は理想的な候補者となった。)
  • The rainy weather, coupled with heavy traffic, caused major delays.
    (雨天と交通渋滞が相まって、大幅な遅れが生じた。)

英訳例文での使い方

日本語の「相まって」を英語で自然に表現するためには、前後の文脈に応じて柔軟に言い換えることが大切です。以下にいくつかの英訳例を紹介します。

ポジティブな文脈

  • フレッシュな果実の香りと滑らかな口当たりが相まって、極上の味わいに仕上がった。
    → The fresh fruit aroma, combined with the smooth texture, created an exquisite flavor.

ネガティブな文脈

  • 疲労とストレスが相まって、集中力が著しく低下した。
    → Fatigue, coupled with stress, significantly reduced his ability to concentrate.

このように、「相まって」は単語ごとの直訳ではなく、構文全体を意識して英語に置き換えることがポイントです。文脈に合った英語表現を選ぶことで、より自然で説得力のある翻訳が可能になります。

「相まって」の注意点と誤用しやすい例

「相まって」は便利な表現である一方で、漢字の誤用や不自然な活用など、気をつけるべきポイントも存在します。正確に使いこなすためには、よくある間違いを把握しておくことが大切です。この章では、特に注意すべき2つのケースを紹介します。

漢字を「相待って」「合間って」と間違えない

まず多いのが、漢字表記の誤りです。「相まって」は「相俟って」と書くのが正式な表記ですが、次のような誤用が見られることがあります。

  • 相待って:「待つ」という意味に誤変換されがちですが、意味が異なるため注意が必要です。
  • 合間って:「合間(あいま)」との混同ですが、語義も構文もまったく異なります。

このような誤表記は、文の意味を混乱させるだけでなく、読み手に誤解を与える可能性があります。特に文書作成やメールなど、公的な場面では十分に注意しましょう。

「相まっている」は一般的ではないので避ける

「相まって」は慣用表現であり、特定の文型に固定されて使われる傾向があります。そのため、「〜が相まっている」といった継続形の表現は文法的には成立しても、自然な日本語とは言いづらいケースが多いです。

避けたい表現の例自然な表現
美しさと静けさが相まっている空間。

努力と才能が相まっているから成功した。
美しさと静けさが相まって、心が癒される空間。

努力と才能が相まって、彼は成功を手にした。

「〜している」と継続的に描写するよりも、「〜が相まって」の構文で結果や効果を明示する表現の方が自然です。

こうした誤用を避けることで、表現の信頼性と文章の美しさが大きく向上するでしょう。

まとめ:言葉の力を高める「相まって」の使い方

「相まって」は、複数の要素が作用し合うことで特定の結果を導くという、日本語ならではの繊細な表現です。ポジティブにもネガティブにも使え、文脈を豊かにする力があります。正しい意味や文法、例文を通じてその使い方を押さえることで、より深みのある表現が可能になるでしょう。

この記事でご紹介したポイントを振り返ると

  • 「相まって」は「複数の要因が作用して結果を生む」意味を持つ
  • 正式な漢字は「相俟って」だが、ひらがな表記が一般的
  • 文型は「AとBが相まってCになる」が基本パターン
  • 類義語や対義語を知ることで表現の幅が広がる
  • 英語では「combined with」「coupled with」などで表現可能
  • 誤った漢字表記や不自然な活用には注意が必要

語彙力を高めたい方、文章を洗練させたい方にとって、「相まって」はぜひ活用したい表現の一つです。正しく使いこなして、説得力のある文章力を磨いていきましょう。

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