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「ご足労おかけいたしますが」の意味と正しい使い方・言い換え表現を解説

本記事ではこのようなお悩みを解決いたします
  • 「ご足労おかけいたしますが」の適切な使用シーンがわからない
  • 「ご足労おかけいたしますが」の言い換え表現を知りたい
  • 「ご足労おかけいたしますが」を目上の人に使って良いのか気になる

「ご足労おかけいたしますが」という言葉、ビジネスシーンで使いたいけれど、正しい使い方に自信がない方も多いのではないでしょうか。

この丁寧な表現は、相手への感謝と敬意を込めた重要なビジネスマナーです。しかし、使い方を間違えると逆効果になることもあります。

今回のコラム記事では、「ご足労おかけいたしますが」の意味から、適切な使用シーン、注意点まで徹底解説します。さらに、実践的な例文や類語表現も紹介するので、ビジネスコミュニケーションを高めたい方の一助になれば幸いです。ぜひ最後までご一読ください。

このページの概要

「ご足労おかけいたしますが」の意味と語源

「ご足労おかけいたしますが」は、ビジネスシーンで頻繁に使用される丁寧な表現です。この言葉の背景には、日本の伝統的なビジネス文化や敬語の深い理解が必要です。ここでは、この表現の語源から現代のビジネスシーンでの使用法まで、詳しく解説していきます。

「ご足労」の語源と本来の意味

「ご足労」は、「足」と「労」という二つの漢字から成り立っています。

  • 「足」:移動や歩行を表す
  • 「労」:労力や疲れを意味する

これらが組み合わさって、「足を使って移動する労力」という意味を持ちます。「ご」を付けることで、相手の行動に対する敬意を表現しています。

「ご足労」の本来の意味は以下の通りです。

「ご足労」の言葉の意味
  1. 足を使って移動する労力や疲れ
  2. 相手が自分のために移動してくれる行為
  3. その移動に対する感謝や配慮の気持ち

交通手段が限られていた時代に、相手の移動に対する感謝を表す言葉として使われ始めたと考えられますが、現代においても相手の時間と労力への敬意を示す表現として利用されています。

「おかけいたしますが」の役割と効果

「おかけいたしますが」は、「ご足労」と組み合わせて使われる補助的な表現です。この部分が果たす役割と効果は次のようなものがあります。

「おかけいたしますが」の役割と効果
  1. 謙譲の意を表す:自分の要請によって相手に負担をかけることを認識し、申し訳なさを表現します。
  2. クッション言葉としての機能:直接的な依頼や要求を和らげ、コミュニケーションをスムーズにします。
  3. 丁寧さの強調:「いたす」という謙譲語を使用することで、より丁寧な印象を与えます。
  4. 前置きとしての役割:この表現の後に続く依頼や要望を円滑に伝えるための導入句として機能します。

ビジネスシーンにおける「ご足労おかけいたしますが」の意味

ビジネスシーンにおいて、「ご足労おかけいたしますが」を利用する意図は主に

  • 来訪への感謝
    • 取引先や上司が自社や自分の部署を訪れる際の感謝の表現。
  • 依頼の前置き
    • 相手に何かを依頼する際、その負担を認識していることを示す。
  • 謝罪の意味合い
    • 自分の都合で相手に移動を強いることへの謝罪。
  • 関係性の構築
    • 相手への敬意を示すことで、良好なビジネス関係を築く。

上記のような意味を含んで用いられます。注意点としては、単に言葉を覚えて使用するだけでなく、相手の立場や状況を十分に考慮した上で使うことが重要です。また、グローバル化が進む現代のビジネス環境では、この表現の背景にある文化的な意味を外国人ビジネスパートナーに説明できることも、有用なスキルとなるでしょう。

「ご足労おかけいたしますが」の正しい使い方

「ご足労おかけいたしますが」は、ビジネスシーンで重宝される丁寧な表現ですが、適切に使用しないと逆効果になる可能性があります。ここでは、この表現を効果的に使用するためのシーン、注意点、そしてバリエーションについて詳しく解説します。正しい使い方を身につけることで、あなたのビジネスコミュニケーションスキルは確実に向上するでしょう。

適切な使用シーン

「ご足労おかけいたしますが」は、主に相手の移動や訪問に関連して使用される表現です。

  • 来訪依頼時の使用例
  • 訪問後の感謝表現としての使用例

上記のような具体的な使用シーンを想定して、例文をご紹介いたします。

来訪依頼時の使用例

来訪を依頼する際、この表現を使うことで丁寧さと感謝の気持ちを表すことができます。

例文:「ご足労おかけいたしますが、来週の水曜日に弊社までお越しいただけますでしょうか。」

この例文では、相手の時間と労力への配慮を示しつつ、訪問の依頼をスムーズに行っています。

訪問後の感謝表現としての使用例

訪問を受けた後の感謝の言葉としても適切です。

例文:「本日は、ご足労おかけいたしましたが、わざわざお越しいただき誠にありがとうございました。」

この使い方は、相手の訪問に対する深い感謝の気持ちを表現するのに効果的です。

使用する際の注意点

「ご足労おかけいたしますが」という言葉は、相手への感謝・労りを伝えるために大切な表現ですが、同時に注意すべき点もあります。

社内での使用に関する注意

社内でのコミュニケーションでは、過度に丁寧な表現を使用すると、かえって距離感を生む可能性がありますので注意が必要です。

  • 上司や先輩に対しては適切に使用する
  • 同僚や部下に対しては、状況に応じて使用を控える
  • 日常的なコミュニケーションでは、より簡潔な表現を選ぶ

社内での使用は相手との関係性や会社の文化を十分に考慮した上で判断することが重要です。

来訪確定前の使用に関する注意

相手の来訪が確定していない段階での使用は避けるべきです。

  • 来訪の可能性を打診する段階では使用を控える
  • 代わりに「お時間をいただけますでしょうか」などの表現を使用する
  • 来訪が確定した後に使用する

この点に注意することで、相手に不必要なプレッシャーをかけることを避けられます。

「ご足労おかけいたしますが」のバリエーション

状況に応じて、いくつかのバリエーションを使い分けることで、より適切な表現が可能になります。

「ご足労いただき」の使い方

この表現は、相手の行動に対する感謝を直接的に表現する際に適しています。

例文:「ご足労いただき、誠にありがとうございます。」

この使い方は、相手が既に行動を起こしてくれた後の感謝の言葉として効果的です。

「ご足労をおかけして」の使い方

自分の要請によって相手に負担をかけたことへの謝罪の意味合いが強い表現です。

例文:「ご足労をおかけして申し訳ございません。」

この表現は、特に相手に大きな負担をかけた場合や、急な依頼をした際に適しています。

「ご足労おかけいたしますが」の言い換え表現や類語と使い分け

ビジネスシーンでは、状況に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。「ご足労おかけいたしますが」に似た表現はいくつかありますが、それぞれに微妙な違いがあります。

ここでは、類似表現との違いや使い分けについて詳しく解説します。これらの表現を適切に使い分けることで、より洗練されたビジネスコミュニケーションが可能になるでしょう。

「お手数をおかけいたしますが」との違い

「お手数をおかけいたしますが」は、「ご足労おかけいたしますが」と似た意味を持ちますが、使用シーンに違いがあります。

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「お手数をおかけいたしますが」「ご足労おかけいたしますが」
対象となる行動の範囲より広範囲の作業や労力全般主に移動や訪問に関する労力
丁寧さのレベルやや軽めの丁寧表現より格式高い表現
使い分けのポイント書類の作成や情報の提供など、移動を伴わない依頼に適しています。特に相手の訪問や移動を伴う依頼に使用します。
例文「お手数をおかけいたしますが、この書類にご記入いただけますでしょうか。」「ご足労おかけいたしますが、明日の会議にご出席いただけますでしょうか。」

相手の立場や依頼の内容を十分に考慮し、適切な表現を選ぶことが重要です。過度に丁寧な表現を使用すると、かえって相手に負担を感じさせる可能性があるため注意が必要です。

「ご面倒をおかけいたしますが」との使い分け

「ご面倒をおかけいたしますが」は、「ご足労おかけいたしますが」よりもさらに広い意味で使用される表現です。

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「ご面倒をおかけいたしますが」「ご足労おかけいたしますが」
適用範囲物理的な移動だけでなく、精神的な負担も含む主に移動や訪問に関する労力
ニュアンスの違いやや負担が大きいことを暗示主に移動の労を強調
使い分けのポイント複雑な作業や長時間を要する依頼の場合単純な訪問や移動の依頼の場合
例文「ご面倒をおかけいたしますが、この複雑な案件についてご検討いただけますでしょうか。」「ご足労おかけいたしますが、明日の打ち合わせにお越しいただけますでしょうか。」

「お呼び立てして恐縮ですが」の使用シーン

「お呼び立てして恐縮ですが」は、より格式高い場面で使用される表現です。

「お呼び立てして恐縮ですが」の主な特徴や使い方
  1. 使用シーン
    • 非常に重要な会議や式典への出席依頼
    • 高位の人物への訪問要請
  2. 丁寧さのレベル
    • 「ご足労おかけいたしますが」よりもさらに丁寧
    • 最高レベルの敬意を表す表現の一つ
  3. 使われる場面
    • 重役会議への出席依頼
    • 取締役や社長クラスの人物への面会要請
    • 公式な式典やイベントへの参加依頼
  4. 例文
    • 「お呼び立てして恐縮ですが、来週の取締役会にご出席いただけますでしょうか。」

ビジネスメールでの「ご足労おかけいたしますが」の活用法

ビジネスメールにおいて「ご足労おかけいたしますが」という表現を適切に活用することは、プロフェッショナルな印象を与え、円滑なコミュニケーションを促進する上で非常に重要です。

この丁寧な表現を使うことで、相手への敬意と感謝の気持ちを効果的に伝えることができます。ここでは、具体的なメール文例や文章構成のポイント、そして避けるべき表現とその代替案について詳しく解説します。

メール文例と解説

「ご足労おかけいたしますが」を含むビジネスメールの文例を以下に示します。それぞれの例文について、使用の意図と効果を解説します。

来訪依頼のメール

件名:来週の会議出席のお願い

〇〇様
いつもお世話になっております。△△株式会社の□□です。

来週水曜日に開催予定の新製品企画会議について、ご出席いただきたくご連絡いたしました。ご足労おかけいたしますが、ぜひともご参加くださいますようお願い申し上げます。

日時:2025年3月12日(水)14:00~16:00
場所:弊社会議室(〒xxx-xxxx 東京都〇〇区△△ x-x-x)

ご多忙中誠に恐縮ですが、ご出席の可否を3月7日(金)までにご返信いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

この例文では、「ご足労おかけいたしますが」を使用することで、相手の時間と労力に対する配慮を示しています。また、具体的な日時と場所を明記し、返信期限を設けることで、相手の行動を促しています。

訪問後のお礼メール

件名:本日はありがとうございました

〇〇様
いつもお世話になっております。△△株式会社の□□です。

本日は、ご多忙の中ご足労いただき、誠にありがとうございました。
プレゼンテーションに対する貴重なご意見、大変参考になりました。

ご指摘いただいた点について、早速社内で検討し、改善案を作成いたします。
来週中には改訂版をお送りできる予定ですので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

この例文では、「ご足労いただき」という表現を用いて、相手の訪問に対する感謝の気持ちを伝えています。また、訪問の成果と今後の行動計画を明確に示すことで、ビジネスの進展を図っています5

文章構成のポイント

効果的なビジネスメールを作成するための文章構成のポイントは以下の通りです。

文章構成のポイント
  1. 簡潔な件名:メールの内容を端的に表す件名をつける
  2. 適切な挨拶:時候の挨拶や相手の立場に応じた丁寧な挨拶を入れる
  3. 用件の明確化:メールの目的を冒頭で明確に伝える
  4. 「ご足労おかけいたしますが」の適切な配置:
    • 来訪依頼の場合:依頼の前に配置
    • お礼の場合:冒頭に配置
  5. 具体的な情報提供:日時、場所、必要な準備物などを明記する
  6. 締めくくりの言葉:丁寧な締めくくりの言葉を入れる
  7. 署名:所属、氏名、連絡先を明記する

これらのポイントを押さえることで、相手に配慮した、分かりやすいメール作成に繋がりますので、ご参考ください。

避けるべき表現と代替案

「ご足労おかけいたしますが」を使用する際に避けるべき表現と、その代替案を以下に示します。

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避けるべき表現やシーン代替表現
「ご足労様です」「ご足労おかけいたしますが」または「ご足労いただき」
「ご足労おかけしますが」(確定前の使用)「お時間をいただけますでしょうか」
社内の同僚や部下への使用「お手数をおかけしますが」または「よろしくお願いします」
過度な使用による形式的な印象状況に応じて「お越しいただき」など、より自然な表現を選択する
「ご足労」の誤用(例:「ご足労です」)正しい用法を学び、適切に使用する

これらの点に注意することで、より適切で効果的なビジネスコミュニケーションが可能となります。

「ご足労おかけいたしますが」を適切に使って円滑なコミュニケーションを

今回のコラム記事では「ご足労おかけいたしますが」の意味や使い方、言い換えた表現について解説いたしました。この言葉は配慮や感謝が伝えられますが、場合によっては相手の方に失礼な表現となりますのでしっかりと使い方は押さえておきましょう。

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