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文章で迷わない!「及び」「又は」「若しくは」の使い分け・例文・注意点を解説

本記事ではこのようなお悩みを解決いたします
  • 「及び」「又は」「若しくは」の違いが曖昧で自信が持てない
  • 契約書や公的文書での正しい接続詞の使い方がわからない
  • 読みやすく誤解のない文章を書くためのコツを知りたい

「及び」「又は」「若しくは」——これらの言葉を文章の中で使い分けるのに迷ったことはありませんか?

一見すると似たような意味に思えるこれらの接続詞ですが、実は使いどころによって微妙に役割が異なります。特に、契約書やビジネス文書、法令文などでは誤った使い方をすると、意味の誤解や重大なトラブルにつながることも。

本記事では、「及び」「又は」「若しくは」の正しい意味と使い分けのルールを、具体例とともにわかりやすく解説します。堅い文章を書く機会がある方や、言葉に正確さを求められる職種の方のご参考になれば幸いです。

このページの概要

「若しくは」「又は」「及び」とは?

文章作成や文書の校正をしていると、接続詞の使い方に戸惑う場面が多くあります。

特に「若しくは」「又は」「及び」は、見た目も意味も似ているため混同されがちですが、それぞれの役割には明確な違いがあります。ここでは、各語の意味と使い方を一つずつ丁寧に見ていきましょう。

「若しくは」の意味と使い方

「若しくは(もしくは)」は、いくつかの選択肢のうち、どちらか一方を選ぶという意味を表す接続詞です。

特に、より細かい選択肢や下位カテゴリー同士を結ぶ場合に使われることが多く、法律文や契約書などの文書で定型的に用いられます。

たとえば「道路交通法」では、「自動車、若しくは原動機付自転車」というように、広いカテゴリーである「車両」の中の同格の種類を並べる際に登場します。

「若しくは」を用いた例文

  • この証書は、本人若しくは代理人が署名しなければならない。
  • 商品の返品は、未使用品若しくは未開封品に限ります。

日常会話では「もしくは」と平仮名で書かれ、意味やニュアンスはほぼ同じですが、公的文書では漢字の「若しくは」が好まれる傾向があります。

「又は」の意味と使い方

「又は(または)」も、複数の選択肢からいずれか一つを選ぶことを示す接続詞です。

ただし、「若しくは」に比べてより大きな分類や上位カテゴリー同士を結ぶ場合に用いられるのが特徴です。

例えば、法律文書では「及び」と対になる形で登場し、「A又はB」のように並列して、いずれかを選べることを明確にします。日常文書や会話では「または」と平仮名で書かれることが多く、くだけた文章にも馴染むでしょう。

「又は」を用いた例文

  • 電話又はメールでお問い合わせください。
  • 本券は現金又は商品券と交換できます。

「若しくは」と「又は」は、どちらも「or」に近い意味ですが、又はは大きな選択肢同士、若しくはは細分化された選択肢同士という使い分けを意識すると、法律文や契約書でも迷いにくくなります。

「及び」の意味と使い方

「及び(および)」は、複数の要素をすべて含むことを示す接続詞で、英語の「and」に相当します。選択肢ではなく、全てを含める併合的な並列を表すため、契約書や規約などでは非常に重要な意味を持ちます。
また、「及び」は同じレベルの語句をつなぐ際に使われるのが原則で、異なるレベルや階層を結ぶ場合は「並びに」が用いられます。

「及び」を用いた例文

  • 履歴書及び職務経歴書をご提出ください。
  • 会社の資産及びこれに付随する権利を譲渡する。

「及び」は「全て必要」であることを明確にするため、誤って「又は」と混同すると契約条件が大きく変わってしまう恐れがあります。ビジネスや法律文書では特に注意して使い分けることが重要です。

「若しくは」と「又は」の違いとは?

どちらも「AかBか」のような選択肢を提示する接続詞ですが、実際には使い方に細かな違いがあります。まずは、選択関係を示す接続詞としての性質と、文構造上の位置づけを理解することが重要です。

前提:どちらも「いずれか一方」を示す接続詞

「若しくは」と「又は」は、いずれも複数の選択肢から一方を選ぶ意味を持つ接続詞です。英語でいえば「or」に相当し、「AかBか」という選択関係を示す役割を果たします。

  • 現金又はクレジットカードでお支払いください。
  • 運転免許証若しくはマイナンバーカードを提示してください。

どちらも基本的な意味は同じですが、法律文や契約書では結ぶ対象の階層や分類の広さによって使い分けられるのが特徴です。

「若しくは」は下位カテゴリー同士を結ぶ

「若しくは(もしくは)」は、同じカテゴリー内でさらに細分化された選択肢同士を結ぶ場合に使われます。

たとえば、カテゴリーが「車両」の場合、その中の種類である「自動車」と「原動機付自転車」を結ぶときに使われます。

法律文書や契約書では、より限定的で同格の項目を並べる場面で登場することが多く、公的文では漢字の「若しくは」が好まれます。

「若しくは」を用いた例文(法律・契約文)

  • この証明書は、本人若しくは代理人が提出すること。
  • 道路交通法:自動車若しくは原動機付自転車の運転は免許を要する。

「又は」は上位カテゴリー同士を結ぶ

「又は(または)」は、異なる大分類や広い範囲の選択肢同士を結ぶ場合に使われます。

下位カテゴリーの細分化ではなく、別のカテゴリーや手段を選ぶような場面が典型です。

例えば、法律・契約書では、項目の階層が上の部分で使われ、選択肢の幅が広い場合に用いられます。日常文書や案内文では平仮名の「または」がよく使われます。

「又は」を用いた例文(法律・契約文)

  • お問い合わせは、電話又はメールにて受け付けます。
  • 本契約は、当事者双方の合意又は法令に基づき解除することができる。

「若しくは」「又は」「及び」の使い分けルール

ここからは、3つの接続詞をどのように正しく使い分けるべきか、具体的なルールと注意点を解説します。文章の論理構造を正しく伝えるためには、この知識が不可欠です。

3つの接続詞の役割を整理

「若しくは」「又は」「及び」は、契約書や法律文で頻繁に登場する接続詞ですが、意味や使い方には明確な違いがあります。いずれも複数の語句をつなぐ役割を持ちながら、選択なのか、併合なのか、またどの階層の語句を結ぶのかによって使い分けが必要です。

「若しくは」「又は」「及び」の役割整理表

接続詞基本的な意味主な用途使用場面例
若しくは(もしくは)同じカテゴリー内の細かい選択肢同士を結ぶ(いずれか一方)下位分類・同格の項目を結ぶ普通自動車若しくは原動機付自転車
又は(または)大きな分類や広い選択肢同士を結ぶ(いずれか一方)上位分類・異なるカテゴリーを結ぶ電話又はメール
及び(および)複数の要素をすべて含む(両方必要)併合的な並列履歴書及び職務経歴書

契約書や法律文では、これらを接続する対象の階層や関係性に応じて厳密に使い分けるのが原則です。

「or」と「and」の関係

英語で考えると分かりやすく、

  • 「若しくは」「又は」= or(選択関係)
  • 「及び」= and(併合関係)

という対応になります。

ただし日本語では、選択を表す「or」にも**大分類用(又は)と小分類用(若しくは)**の区別があるため、英語よりも細かいルールが存在します。これが契約書や法律文を読むときの混乱ポイントにもなります。

三段階以上の接続ではどう使う?

法律文書や契約書では、選択肢や項目が複数階層に分かれることがあります。

この場合、階層ごとに接続詞を変えて、意味の混乱を避けるのが基本です。

例:「普通自動車若しくは原動機付自転車、又は自転車及びこれらに類する車両」

上記のような文章があった場合、「若しくは」「又は」「及び」の各役割・ルールは次の通りです。

  1. 最下位の階層(同格・細分類) → 「若しくは」で結ぶ
    • 例:普通自動車 若しくは 原動機付自転車
  2. 中間・上位階層(大分類間の選択) → 「又は」で結ぶ
    • 例:(普通自動車若しくは原動機付自転車) 又は 自転車
  3. 選択ではなく全て必要な場合 → 「及び」で結ぶ
    • 例:自転車 及び これらに類する車両

このように階層ごとに使い分けることで、文章の意味を明確化し、解釈の誤りを防ぐことができます。

特に契約書では、この階層的な接続詞の使い分けが、条件の成立可否や権利義務の範囲を大きく左右します。

「若しくは」「又は」「及び」は日常と公的文書で使い分けが異なる?

「若しくは」「又は」「及び」といった接続詞は、その使い方が文書の種類によって大きく変わることがあります。特に日常的な文章と、契約書や法令文のような厳密さが求められる文書では、求められる精度と慣習が異なります。

ここでは、日常文と法令・契約書文での使い分けの違いを具体例とともに見ていきましょう。

日常文での自然な使い方

日常会話や社内メール、案内文などでは、堅苦しい印象を避けるために平仮名で書くのが一般的です。

また、「若しくは」「又は」については、ニュアンスがほぼ同じため、厳密に区別せずに使われることも多いです。

自然な日常文章例

  • お支払いは、現金またはクレジットカードでお願いします。
  • 会場まで電車もしくはバスをご利用ください。
  • ご応募の際は、履歴書および職務経歴書をメールでお送りください。

前述のとおり、日常的な文章では「若しくは」と「又は」の厳密な区別を意識せずに使われることも多く、読み手に違和感を与えることはほとんどありません。ただし、「および」は「かつ(両方)」の意味を持つため、「または」と混同しないよう注意が必要です。

公的文書での適切な使い方

契約書や法律文、規約などの公的文書では、意味の階層や関係性に応じて厳密に使い分ける必要があります。

公的文書での適切な使い方

  • 本契約は、当事者の合意又は法令の定めにより終了する。
  • 自動車若しくは原動機付自転車を運転する場合は、免許を有すること。
  • 提出書類は、住民票の写し及び印鑑証明書とする。

例えば、「又は」は上位分類同士の選択、「若しくは」は下位分類同士の選択を示し、「及び」は全てを含む併合関係を表します。

こうした接続詞は、公的文書では平仮名よりも漢字で表記するのが原則です。

また、契約や規約では、大分類には「又は」、小分類には「若しくは」を用いるといった階層ごとの使い分けルールが定められており、誤用すれば契約条件や権利義務の範囲が変わる恐れがあるため、特に注意が求められます。

「若しくは」「又は」「及び」でよくある誤用と注意点

契約書や法律文でこれらの接続詞を誤って使うと、意味が大きく変わり、契約条件や権利義務の範囲を誤解させる原因になります。ここでは、特によくある混同や誤用のパターンを整理します。

「又は」「若しくは」の混同パターン

「又は」と「若しくは」はどちらも「いずれか一方」を意味しますが、接続する語句の階層が異なります。

ところが、条文や契約条件の作成時に、この階層の違いを意識せずに同じ言葉で統一してしまうケースがよくあります。

例えば、本来は「普通自動車若しくは原動機付自転車、又は自転車」とすべきところを、すべて「又は」にしてしまうと、下位分類の選択関係が不明確になり、解釈の幅が広がってしまいます。

特に、条件分岐の正確さが求められる契約書や法律文では、この混同がトラブルの火種になりやすいです。

誤用例(誤った使い方)正しい例(適切な使い方)
普通自動車又は原動機付自転車、又は自転車普通自動車若しくは原動機付自転車、又は自転車
書面又は電子メール、又はFAXで提出書面又は(電子メール若しくはFAX)で提出
納品は国内工場又は海外工場のAライン又はBラインから行う納品は国内工場又は海外工場の(Aライン若しくはBライン)から行う

「及び」の誤った使い方の例

「及び」は「and(かつ)」にあたる接続詞で、複数の要素をすべて含む意味を持ちます。ところが、これを「または」と同じ意味で使ってしまう誤用が見られます。

例えば「提出書類は、履歴書及び職務経歴書とする」という場合、「及び」なので両方必要という意味ですが、これを「どちらか一方でよい」と誤解してしまうケースがあります。

逆に、意図としては選択肢を示したかったのに「及び」と書いてしまうと、契約上は両方必須と解釈されてしまい、条件が大きく変わることになります。

誤用例(誤った使い方)正しい例(適切な使い方)
提出書類は、履歴書及び職務経歴書のいずれかとする提出書類は、履歴書又は職務経歴書のいずれかとする
当日は、印鑑証明書及び身分証明書のどちらかをご持参ください当日は、印鑑証明書又は身分証明書のどちらかをご持参ください
参加資格は、運転免許証及び健康保険証のいずれかを提示できる方参加資格は、運転免許証又は健康保険証のいずれかを提示できる方

注意点を整理すると

接続詞の誤用は、文章の意味や契約条件を大きく変えてしまう恐れがあります。ここでは、「若しくは」「又は」「及び」を正しく使うために、注意すべきポイントを表で整理しました。

接続詞正しい意味よくある誤用誤用によるリスク
若しくは同じカテゴリー内の細かい選択肢同士を結ぶ(いずれか一方)又はと置き換えてしまう下位分類の関係性が不明確になり、条文解釈が曖昧になる
又は大きな分類や広い選択肢同士を結ぶ(いずれか一方)若しくはと区別せず使う意図しない範囲まで選択肢が広がり、条件が緩く解釈される
及び複数の要素をすべて含む(両方必要)「または」の意味で使う契約条件が厳しくなり、不要な提出や義務が発生する

まとめ:「若しくは」「又は」「及び」は使い方に注意しよう

「及び」「又は」「若しくは」といった接続詞は、一見似ているようでも、意味や使い方には明確な違いがあります。特に法的・ビジネス文書では、それぞれの接続詞が持つ論理的な役割を正確に理解して使い分けることが不可欠です。

  • 若しくは:同じカテゴリー内の細かい選択肢同士を結び、いずれか一方を選ぶ場合に使う。
  • 又は:大きな分類や広い選択肢同士を結び、いずれか一方を選ぶ場合に使う。
  • 及び:複数の要素をすべて含める場合に使う(両方必要)。

正しい接続詞を選ぶことは、読み手に正確な意図を伝えるための基本です。日常の文章やビジネス文書作成において、今回の内容が参考になれば幸いです。

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