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「参考にさせていただきます」を断り文句にしないための使い方と注意点

本記事ではこのようなお悩みを解決いたします
  • 「参考にさせていただきます」が断り文句っぽく聞こえないか不安
  • 相手に受け流した印象を与えたくない
  • やわらかく伝えつつ誠実に見える言い方を知りたい

「参考にさせていただきます」は便利な表現ですが、使い方によっては相手に「やんわり断られた」と受け取られてしまうことがあります。特に、提案や要望への返答で使う場合は、言葉の選び方ひとつで印象が変わります。

この記事では、「参考にさせていただきます」が断り文句のように聞こえてしまう理由を整理しながら、そう見せないための使い方を解説します。相手に配慮しつつ、曖昧すぎない伝え方を知りたい方に役立つ内容です。

このページの概要

なぜ「参考にさせていただきます」は断り文句に見えるのか

「参考にさせていただきます」は、表面上は丁寧な表現です。

しかし、使う場面によっては「結局断られたのでは」「やんわり流されたのでは」と受け取られることがあります。実際、ビジネスの現場では便利な返答として使われやすい一方で、相手に少し距離を感じさせることもある言い回しです。まずは、なぜこの表現が断り文句のように見えやすいのかを整理しておきましょう。

結論を曖昧にしやすい表現だから

「参考にさせていただきます」は、相手の意見や提案を受け止める姿勢を示せる一方で、「採用する」「対応する」とは言い切っていません。

そのため、聞き手からすると、前向きなのか保留なのかが分かりにくいことがあります。

この曖昧さは、すぐに結論を出せない場面では便利です。

ただ、相手が明確な返答を期待している場合には、「はっきり答えを避けられた」と感じる原因になります。特に、提案の採用可否や要望への対応方針を知りたい場面では、この表現だけでは情報が足りません。

相手の提案を受け流した印象を与えるから

相手が時間をかけて提案や助言をしてくれたときに、「参考にさせていただきます」と一言だけ返すと、受け止め方が軽く見えることがあります。

言葉としては丁寧でも、相手からすると「きちんと読んでもらえたのか分からない」「結局その場を収めるために返されたように感じる」と思うことがあるためです。

特に、次のような返し方は断り文句の印象を持たれやすいです。

  • お礼がないまま一言で終える
  • 提案内容への反応が見えない
  • 今後どう扱うのかがまったく分からない

このような場合、相手は「受け止めてもらえた」というより、「無難に流された」と感じやすくなります。つまり、断り文句に見える原因は、言葉そのものよりも、受け止め方が見えないことにあります。

具体的な対応が見えないから

この表現が断り文句に聞こえやすいもうひとつの理由は、その後の行動が見えにくいことです。

「参考にする」と言われても、実際に何に活かすのか、いつ検討するのか、対応の可能性があるのかが分からなければ、相手は不安を感じやすくなります。

たとえば、「今後の参考にさせていただきます」とだけ伝えられた場合、前向きな意味にも取れますが、「今回は対応しません」という遠回しな意味にも聞こえます。相手は文脈を読み取ろうとしますが、手がかりが少ないほどネガティブに受け取られやすくなります。

断り文句に見えるかどうかは“表現”より“返し方”

ここまで見ると分かるように、「参考にさせていただきます」が断り文句に見えるのは、言葉自体が失礼だからではありません。曖昧さがあり、使い方しだいで受け流しのように見えてしまうためです。

逆にいえば、感謝を添える、どのように活かすかを示す、必要に応じて現状を伝えるといった工夫があれば、同じ表現でも印象は大きく変わります。

大切なのは、無難に返すことではなく、相手に「きちんと受け止めてもらえた」と感じてもらえる返し方にすることです。

断り文句に見せない伝え方

「参考にさせていただきます」が断り文句のように見えてしまうのは、相手への配慮や今後の扱いが見えにくいからです。

逆にいえば、伝え方を少し工夫するだけで、同じ表現でも印象はかなり変わります。大切なのは、無難に返すことではなく、相手の意見をきちんと受け止めていることが伝わる文にすることです。

感謝を明確に伝える

もっとも基本的なのは、まず感謝の言葉を入れることです。

相手は時間を使って提案や要望を伝えてくれているため、その行為自体に対してお礼を伝えるだけでも、受け流している印象をかなり減らせます。

たとえば、次のような違いがあります。

  • 参考にさせていただきます。
  • ご提案ありがとうございます。参考にさせていただきます。

後者のほうが、内容を受け止めたうえで返している印象になります。特に、取引先や目上の人、利用者からの意見に返すときは、この一言があるだけで文全体のやわらかさが大きく変わります。

何を参考にするのか示す

「参考にさせていただきます」だけでは曖昧に見えやすいため、何に活かすのかを少し具体的にすると伝わりやすくなります。相手にとっても、自分の意見がどう扱われるのかが見えるため、納得感が出やすくなります。

たとえば、次のような形です。

  • 今後の施策検討の参考にさせていただきます。
  • 次回の見直し時の参考にさせていただきます。
  • 社内で共有し、今後の対応の参考にさせていただきます。

このように一言添えるだけでも、「とりあえずその場を収めるための返答」という印象を避けやすくなります。

今後の対応や検討方針を添える

相手が特に知りたいのは、自分の意見が今後どう扱われるかという点です。そのため、必要に応じて今後の対応方針や検討の方向性を一言添えると、断り文句のような印象を減らしやすくなります。

  • いただいたご意見を踏まえ、社内で検討いたします。
  • ご提案内容は、次回の見直しの際に参考にさせていただきます。
  • 現時点での反映は難しいものの、今後の改善の参考にさせていただきます。

このように、現状や今後の動きを少しでも示すと、曖昧な保留ではなく、きちんと受け止めていることが伝わります。

“やわらかいだけ”ではなく“伝わる返答”を目指す

断り文句に見せないために丁寧な言葉を選ぶことは大切ですが、それだけでは十分ではありません。

やわらかい表現でも、内容が見えなければ相手には伝わりにくいからです。重要なのは、感謝・活用の方向性・今後の対応のいずれかが見える形にすることです。

「参考にさせていただきます」を自然に使うには、単に無難な言葉として置くのではなく、相手が読んだときに「ちゃんと受け止めてもらえた」と感じられる返答に整えることがポイントです。

断り文句に見えやすいNG例

「参考にさせていただきます」は便利な表現ですが、使い方を誤ると、相手にやんわり断られたような印象を与えてしまいます。

特に、言葉そのものよりも、返し方が単調だったり説明不足だったりすると、気持ちのない返答に見えやすくなります。ここでは、断り文句のように受け取られやすい代表的なNG例を見ていきます。

一言だけで終える

もっとも注意したいのは、「参考にさせていただきます。」の一文だけで返してしまうことではないでしょうか。

たしかに丁寧な言い方ではありますが、相手からすると、意見を読んだのか、どう受け止めたのかが分かりません。そのため、無難に会話を終わらせようとしている印象を持たれやすくなります。

たとえば、相手が具体的な改善案や提案を送ってくれたのに、一言だけで返すと、内容に向き合っていないように感じられることがあります。短く返すこと自体が悪いわけではありませんが、少なくとも感謝や活用の方向性を少し添えたほうが自然です。

否定の直後に使う

相手の提案や要望に対して、実質的には断る内容を伝えた直後に「参考にさせていただきます」と続けると、表現がかえって不自然になることがあります。相手からすると、「結局断るのに、最後だけやわらかくまとめようとしている」と見えやすいためです。

具体的には、次のような言い方は少し注意が必要です。

  • 今回の導入は見送らせていただきます。参考にさせていただきます。
  • 現時点では対応できません。参考にさせていただきます。

このような形は、気遣いよりも定型感が強く出てしまいます。断る場合は、最後に機械的に添えるのではなく、現状を説明したうえで今後どう扱うかを自然につなげたほうがよいです。

たとえば、次のようにすると印象がやわらぎます。

  • 今回の導入は見送る判断となりましたが、いただいたご意見は今後の見直しの参考にさせていただきます。
  • 現時点では対応が難しい状況ですが、今後の改善の参考にさせていただきます。

相手の熱量が高い場面で曖昧に返す

相手が強い思いを持って提案や要望を伝えている場面では、曖昧な返答ほど温度差が目立ちやすくなります。

時間をかけて具体案を作ってくれた相手や、不便さを丁寧に伝えてくれた相手に対して、「参考にさせていただきます」だけで返すと、真剣に向き合っていないように見えることがあります。

こうした場面では、相手が求めているのは単なる受領の言葉ではなく、「どう受け止めたか」「どう考えているか」が伝わる返答です。そのため、曖昧なまま締めると、断り文句というより、誠実さに欠ける印象につながりやすくなります。

NGになりやすいのは“便利さに頼りすぎる”使い方

ここまでの例に共通しているのは、「参考にさせていただきます」という表現の便利さに頼りすぎている点です。丁寧そうに見えるため、何となく入れてしまいやすいですが、相手が知りたいことが返せていなければ、かえって距離のある返答に見えてしまいます。

NGになりやすい使い方を整理すると、次のようになります。

NG例なぜ断り文句に見えやすいか
一言だけで終える受け止め方が見えず、形式的に見えるため
否定の直後に機械的に添えるやわらかく断っている印象が強くなるため
熱量の高い提案に曖昧に返す相手との温度差が大きく見えるため

大切なのは、丁寧な言葉を置くことではなく、相手が納得しやすい返し方になっているかを考えることです。「参考にさせていただきます」はあくまで一部の表現であり、それだけで印象が決まるわけではありません。前後の言葉をどう組み立てるかが、断り文句に見えるかどうかを左右します。

場面別に考える断り文句で「参考にさせていただきます」の使い方

「参考にさせていただきます」を断り文句のように見せないためには、場面に応じて前後の言葉を整えることが大切です。同じ表現でも、感謝や現状、今後の扱い方を少し補うだけで、印象はかなり変わります。ここでは、よくある場面ごとに、断り文句に見えにくい改善例を紹介します。

提案を見送る場合

提案を受けたものの、今回は採用しないという場面では、ただ「参考にさせていただきます」と返すだけだと、やんわり断って終わらせたように見えやすくなります。

そのため、まず提案への感謝を伝えたうえで、今回は見送ること、ただし今後の判断材料として受け止めていることが分かる形にすると自然です。

  • ご提案ありがとうございます。今回は見送る判断となりましたが、今後の施策検討の参考にさせていただきます。
  • 詳細なご提案をいただき、ありがとうございました。現時点での導入は難しい状況ですが、今後の見直しの際に参考にさせていただきます。
  • 貴重なご提案をありがとうございます。今回は採用に至りませんでしたが、今後の企画検討の参考にさせていただきます。

このように、感謝+現状+今後の扱いを入れると、単なるやわらかい断りには見えにくくなります。

要望にすぐ応えられない場合

要望や改善依頼を受けても、すぐに対応できないことはよくあります。

このときに曖昧な返し方をすると、相手は「結局対応してもらえないのでは」と不信感を持ちやすくなります。そのため、対応が難しい事情を簡潔に示しつつ、今後の参考にする姿勢を伝えるのがポイントです。

  • ご要望をお寄せいただき、ありがとうございます。現時点ではすぐの対応が難しい状況ですが、今後の改善の参考にさせていただきます。
  • 貴重なご意見をありがとうございます。ただちに反映することは難しいものの、今後の見直し時の参考にさせていただきます。
  • ご不便をおかけして申し訳ございません。いただいた内容は、今後の対応を検討するうえで参考にさせていただきます。

この場面では、とくに相手の不満や不便さへの配慮が大切です。事情だけで終わらせず、受け止めていることが伝わる形に整えると、印象がやわらぎます。

会議や商談で即答しない場合

会議や商談では、その場で結論を出せないことも多くあります。

このとき「参考にさせていただきます」とだけ返すと、議論を終わらせたいように聞こえることがあります。そこで、持ち帰って検討することや、次にどう動くのかを少し添えると、保留の印象が前向きに変わります。

たとえば、次のような言い方が使えます。

  • ご提案ありがとうございます。社内で持ち帰って検討する際の参考にさせていただきます。
  • 貴重なご意見をありがとうございます。次回までに整理したうえで、検討の参考にさせていただきます。
  • その視点は非常に参考になります。社内での判断材料として参考にさせていただきます。

会議や商談では、相手も「その場で決まらないことがある」と理解していることが多いです。だからこそ、ただ保留するのではなく、どう持ち帰るかが見える表現にすると自然です。

改善例では“何を足すか”を意識する

場面別に見ると、「参考にさせていただきます」を自然に使うために足したい要素は共通しています。ポイントになるのは、次の3つです。

足したい要素役割
感謝の言葉相手の行動をきちんと受け止めていると伝える
現状の説明すぐに採用・対応できない理由を補う
今後の扱い方単なる保留ではなく、活かす意思を示す

この3つのうち、少なくとも1つか2つを添えるだけでも、「断り文句っぽさ」はかなり減らせます。大切なのは、表現を変えることそのものより、相手が納得しやすい文に整えることです。

まとめ

「参考にさせていただきます」は、丁寧で使いやすい表現ですが、使い方によってはやんわり断っているように見えることがあります。特に、相手が明確な返答や具体的な対応を期待している場面では、この表現だけだと曖昧に受け取られやすくなります。

断り文句のように見えてしまう主な理由は、次の3つです。

  • 結論がはっきり見えにくい
  • 相手の提案や要望を受け流した印象になりやすい
  • 今後どう扱うのかが伝わりにくい

ただし、表現そのものが悪いわけではありません。感謝を添える、何を参考にするのかを示す、必要に応じて現状や今後の対応方針を伝えるといった工夫があれば、同じ言葉でも印象は大きく変わります。

たとえば、次のような形を意識すると自然ではないでしょうか。

  • ご提案ありがとうございます。今後の検討の参考にさせていただきます。
  • 現時点での対応は難しい状況ですが、今後の改善の参考にさせていただきます。
  • いただいた内容は社内で共有し、今後の見直し時の参考にさせていただきます。

大切なのは、ただ無難に返すことではなく、相手に「きちんと受け止めてもらえた」と感じてもらえる返答にすることです。「参考にさせていただきます」は、前後の言葉しだいで便利にも不誠実にも見える表現です。場面に合わせて一文を整えながら、やわらかいだけで終わらない、伝わる返し方を意識するとよいでしょう。

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