14時の睡魔に勝つ!仕事中に眠くならない効果的な方法とは?

午後の仕事が一番はかどる時間帯…そう思いたいところですが、ランチ後の14時ごろに襲ってくる強烈な眠気に悩まされている方は多いのではないでしょうか?
集中力が切れ、仕事の効率もガクンと下がるこの時間帯は、まさにビジネスパーソンの“魔の時間”。しかし、ちょっとした工夫や習慣を取り入れるだけで、この睡魔をコントロールし、午後のパフォーマンスを大きく改善することが可能です。
そこで、今回のコラム記事では、「14時の睡魔」に勝つための具体的かつ実践的な対策をご紹介します。科学的な根拠を踏まえながら、すぐに実行できる方法をお届けしますので、日々の業務効率アップにぜひお役立てください。
なぜ14時になると眠くなる?そのメカニズム
「午後2時になると決まって眠くなる…」そんな悩みを抱える方は少なくありません。この現象には、私たちの体に備わった自然なリズムや生理的な反応が関係しています。ただの「気のせい」ではなく、科学的な理由が存在するのです。
体内時計による「アフタヌーンディップ」とは
人間の体には「概日リズム(サーカディアンリズム)」と呼ばれる約24時間周期の体内時計が備わっており、これにより睡眠と覚醒のサイクルが調整されています。実はこのリズムの中で、14時前後には自然と眠気が強くなる時間帯が存在します。
この現象は「アフタヌーンディップ(午後の谷)」と呼ばれ、昼食の有無にかかわらず誰にでも起こりうるものです。脳の覚醒レベルが一時的に低下し、集中力や判断力も鈍りがちになるため、仕事のパフォーマンスにも影響を与える可能性があるとされています。
ランチ後に副交感神経が優位になる仕組み
昼食後、消化活動を助けるために自律神経のうち「副交感神経」が優位になります。
副交感神経はリラックスを司る神経であり、心拍数の低下や血圧の安定、筋肉の弛緩などを引き起こします。
その結果、身体全体が「休息モード」に入りやすくなり、眠気を感じやすくなるのです。特に炭水化物や脂質の多い食事を摂った場合は消化にエネルギーが必要なため、副交感神経の働きがより活発になり、眠気が一層強く現れる傾向があります。
血糖値の乱高下と“気だるさ”の関係
もう一つ見逃せない要因が「血糖値の変動」でしょう。
ランチで糖質の多い食事を摂ると、血糖値が急上昇します。その後、インスリンの働きで急降下する際に、脳へ届くエネルギーが不安定になり、「気だるさ」や強い眠気を感じることがあります。
この血糖値の乱高下は「血糖値スパイク」とも呼ばれ、食後の眠気だけでなく、イライラや集中力の低下といった不調の原因にもなり得ます。午後のパフォーマンスを維持するためには、ランチの内容にも注意が必要と言えるでしょう。
仕事中にすぐ効く!簡単即効の眠気対策
午後の眠気に襲われたとき、すぐに仮眠をとるわけにもいかないのが現実。
そんなときに頼れるのが、短時間で効果が期待できる「即効性のある対策」です。道具を使わずにできる方法から、ちょっとしたアイテムを活用する方法まで、オフィスでもすぐ実践できるテクニックをご紹介します。
カフェイン・冷たい飲み物で交感神経を刺激
手軽かつ即効性があるのが、カフェインの摂取です。コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、脳の興奮を促し、交感神経を活性化させることで眠気を抑える効果が期待できます。
加えて、冷たい飲み物を飲むことで身体が一時的にシャキッと目覚める感覚が得られます。特に、冷水で口をゆすぐだけでもリフレッシュ効果があるため、集中力の回復に繋がるでしょう。
ただし、カフェインの摂り過ぎには注意が必要です。過剰摂取は夜の睡眠に影響を与える可能性があるため、午後の早めの時間帯までにとどめておくのが賢明です。
換気・深呼吸・ストレッチで酸素を取り入れる
デスクワークが続くと、自然と呼吸が浅くなり、脳への酸素供給が不足しがちになります。
そんなときは、窓を開けて新鮮な空気を取り入れたり、席を立って深呼吸や軽いストレッチを行うのが効果的です。
- 腕を上に伸ばして背伸びする
- 肩甲骨を動かすように肩を回す
- ゆっくりと鼻から吸って、口から長く吐き出す呼吸を3回
これだけでも血流が改善され、脳が再び活性化されやすくなります。周囲に迷惑がかからない範囲で、こまめに取り入れましょう。
ガムや清涼菓子で脳に刺激を与える
「噛む」という行為は脳を刺激し、覚醒を促す効果があります。特に、ミント系のガムやタブレット菓子は清涼感によりさらにリフレッシュ効果が高まります。
ガムを噛むことで以下のような効果が期待できます。
- 脳の前頭前野が活性化し、集中力がアップ
- 唾液分泌が促されて口の中がスッキリ
- 顔の筋肉が動くことで眠気を紛らわせる
仕事中に取り入れやすい「ながら対策」としておすすめです。
耳たぶ引っ張り・ツボ押し(合谷・神門など)で覚醒
身体の一部に軽い刺激を与えることで、眠気を和らげる方法もあります。特におすすめなのが、耳たぶを軽く引っ張る方法や、特定のツボを押す覚醒テクニックです。
代表的なツボとしては
- 合谷(ごうこく): 親指と人差し指の間にあるツボ。頭をスッキリさせ、眠気対策や肩こりにも効果的。
- 神門(しんもん): 手首の小指側にあるツボで、精神を落ち着けつつ覚醒を促す作用があります。
上記が効果があると言われています。
ツボ押しのやり方は簡単で、指の腹で5秒ほどやさしく押し、ゆっくり離す動作を数回繰り返すだけです。耳たぶも同様に、軽く引っ張って離すだけで血流が促進され、頭が冴えてくるのを感じられるでしょう。
環境と動きで眠気をリセット
眠気に対抗するには、単に「気合いで乗り切る」だけでなく、作業環境や身体の動きそのものを見直すことも重要です。
長時間の同じ姿勢や、刺激の少ない空間は眠気を助長する原因になります。ここでは、環境と行動の工夫で眠気をリセットする方法を紹介します。
座りっぱなしを避け、1時間に一度は立ち上がる
長時間座りっぱなしでいると、血流が悪くなり脳への酸素供給も低下します。その結果、眠気が強まり、集中力も散漫になりやすくなります。これを防ぐには、1時間に一度は立ち上がる習慣をつけることが効果的です。
- トイレに立つ
- コピーを取りに行く
- ストレッチをしながらその場で足踏み
こうした軽い動きでも、血流改善と眠気リセットには十分な効果があります。リモートワーク中であっても、キッチンに立つなど小さな動作を取り入れてみましょう。
手のひらを冷たい水で冷やしたり、顔を洗ったりする
眠気を吹き飛ばす即効性のある方法としておすすめなのが、冷水による刺激です。手のひらや顔に冷たい水をかけることで、皮膚の温度が一時的に下がり、交感神経が刺激されて覚醒効果が得られます。
特に夏場のオフィスなどでは、クールダウンの意味でも効果的です。顔を洗えない場合でも、冷水で手を冷やしたり、冷たいタオルで首筋を拭くなどの方法でも代用できます。
照明、音楽、話しかけによる注意喚起
周囲の環境を少し変えるだけでも、脳への刺激になり、眠気を軽減することが可能です。特に以下のような方法は、すぐに取り入れやすく効果も期待できます。
- 照明を少し明るくする: 明るい光は脳を目覚めさせ、体内時計をリセットする作用があります。
- テンポのよい音楽をかける: クラシックよりもアップテンポのBGMがおすすめ。リズムに乗ることで集中が高まります。
- 同僚や上司と軽く会話する: ちょっとした言葉のやり取りも、脳の働きを刺激し、眠気の解消につながります。
こうした環境面の工夫は、個人の努力だけでなく職場全体の理解と協力も必要になる部分です。可能な範囲で、自分が働きやすいリズムを整えていきましょう。
仮眠活用で午後の集中力UP
どんなに対策を講じても、眠気を完全に防ぐのは難しいもの。そこで注目されているのが、仮眠(パワーナップ)の活用です。
上手に取り入れることで、午後の生産性や集中力を大幅に高めることが可能になります。ここでは、効果的な仮眠のタイミングと取り方について解説します。
12時頃の「計画仮眠」で14時の睡魔を回避
眠気がピークに達してから仮眠をとるのではなく、眠くなる前にあらかじめ仮眠をとることが、午後のパフォーマンス維持には効果的です。これがいわゆる「計画仮眠」です。
特におすすめなのが、昼食後すぐ〜13時前までの間に10〜20分ほど仮眠をとること。体内時計のリズムに合わせることで、14時ごろの“アフタヌーンディップ”を未然に防ぐことができます。
企業によっては「シエスタ制度」や「昼寝スペース」を導入しているところも増えており、働き方改革の一環としても注目されています。
15分ほどの短時間仮眠がベター(縦or浅い姿勢が効果的)
仮眠といっても、長く眠る必要はありません。むしろ、15〜20分以内の短時間仮眠の方が効果的とされています。これ以上眠ると「深い睡眠」に入り、起きたときにかえってぼんやりする「睡眠慣性」が発生しやすくなるため注意が必要です。
- 姿勢は浅めに座ったままが理想:ベッドに横になるよりも、椅子にもたれるように仮眠をとる方がスムーズに目覚めやすくなります。
- アイマスクや耳栓を活用:明るさや雑音を遮断すると、より短時間でも深い休息が得られます。
- カフェインを仮眠前に摂取:「コーヒーナップ」と呼ばれ、カフェインが効き始める20分後にちょうど目覚めやすくなるためおすすめです。
正しい仮眠の取り方を習慣にすれば、午後の眠気をリセットし、むしろ午前以上のパフォーマンスを発揮することも夢ではないでしょう。
根本改善:夜の睡眠と日常習慣を見直す
一時的な対処法も効果的ですが、午後の眠気を根本から改善するには「夜の睡眠の質」と「日常の生活習慣」を見直すことが不可欠です。慢性的な眠気に悩んでいる方は、まず自分の睡眠環境や生活リズムをチェックするところから始めましょう。
毎晩6時間以上の質の良い睡眠を確保
日本人の多くが慢性的な睡眠不足に陥っていると言われています。
一般的に、成人には1日6〜8時間の睡眠が推奨されており、特に深いノンレム睡眠をしっかり確保することで、日中の眠気が軽減されます。
- 就寝・起床時間を一定に保つ
- 寝る前のリラックスタイムを設ける
- 寝室の温度・湿度・明るさを整える
こうした基本的な「睡眠衛生」の改善こそが、午後の集中力低下を防ぐ最も効果的な方法と言えるでしょう。
就寝前のカフェインやスマホを控える
夜の睡眠の質を下げてしまう原因として多いのが、カフェイン摂取やスマートフォンの使用です。これらは交感神経を刺激し、寝つきを悪くしたり睡眠を浅くしてしまう可能性があります。
- カフェインは遅くとも就寝の6時間前までに
- 寝る前1時間はスマホ・PCの使用を避ける
- ブルーライトカット眼鏡やアプリも有効
「眠れないからスマホを見る→さらに眠れなくなる」という悪循環を断つためにも、夜の過ごし方には注意が必要です。
強い日中の眠気が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群など検査も検討
十分な睡眠時間を確保してもなお、日中に強い眠気が続く場合は、睡眠障害の可能性も考慮すべきです。特に「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は自覚しづらいものの、日中の強い眠気や疲労感の原因として非常に多く見られます。
- 寝ている間にいびきがひどい
- 朝起きてもスッキリしない
- 昼間に強い眠気で居眠りしそうになる
こうした症状に心当たりがある場合は、医療機関での検査や治療を検討することをおすすめします。健康面はもちろん、仕事のパフォーマンスにも直結する重要な問題です。
まとめ:14時の眠気は対策と習慣で克服できる
午後2時前後に襲ってくる眠気は、体内リズムや食後の生理反応など、誰にでも起こり得る自然な現象です。しかし、ちょっとした工夫と日々の習慣の見直しによって、その影響を最小限に抑えることは十分に可能です。
本記事のポイントをおさらいすると、
- 原因を知る:アフタヌーンディップ、消化による副交感神経の働き、血糖値の変動
- 即効性のある対策を使う:カフェイン、ストレッチ、冷水、ツボ刺激など
- 環境と動きで眠気をリセット:立ち上がる、空気を入れ替える、音や光を活用する
- 仮眠を活用:12時台に15分程度の計画仮眠で午後のパフォーマンス向上
- 根本改善:夜の睡眠習慣を見直し、必要に応じて医療機関での検査も視野に
こうした対策を組み合わせて、自分に合った眠気コントロール法を見つけることが、仕事効率の最大化につながります。今日からできる小さな改善を積み重ね、午後の時間を有意義に過ごしていきましょう。



