初心者でもすぐ使える！スプレッドシートを徹底解説【基本操作からExcelとの違い】

本記事ではこのようなお悩みを解決いたします

Google スプレッドシートの基本的な特徴や Excel との主な違いを押さえたい
Google スプレッドシートの操作方法を一通り習得したい
スプレッドシートの運用・共有を効率化する便利ツールを探している

Googleスプレッドシートとは、表計算ソフトの一種で、縦横のセル（マス目）に数値や文字を入力し、自動計算やデータ集計ができるツールです。

一方で「Googleスプレッドシートが便利と聞いたが、使い方が分からない」「Excelと操作感が違うので、スプレッドシートは敬遠している」このような方もおられるのではないでしょうか。

今回の記事では、初心者の方でも迷わず使い始められるスプレッドシートの魅力を、基本操作からExcelとの違いまで徹底解説します。

実際の画面イメージや手順を交えつつ解説しますので、今日からすぐに業務や学習に活用いただければ幸いです。

このページの概要

Googleスプレッドシートとは？

Google スプレッドシートとは、Webブラウザ上で表計算を行い、データをクラウドに保存できるシステムです。

操作画面や機能構成が Excel に非常によく似ているため、「オンライン版 Excel」と呼んでいる方もいらっしゃると思います。Googleスプレッドシートは、無料かつWeb上で操作できるため、ソフトの購入やインストールが不要です。Google アカウントさえあればすぐに利用を始められる点も大きな魅力といえます。

また、複数ユーザーによる同時編集にも強みがあります。Google アカウントを介して編集権限を共有でき、変更内容はリアルタイムで全員に反映されるため、プロジェクトの進捗管理や各種帳票作成など、チームでの共同作業をスムーズに進められます。

ExcelとGoogleスプレッドシートの違いは？

スプレッドシートはExcelと機能が重なる箇所が多いものの、いくつかの特徴的な違いがあります。他のオンライン表計算ツールとも比較することで、自分の用途に最適な選択ができると思われます。

比較項目	Microsoft Excel	Google スプレッドシート
価格	基本有料（Microsoft 365 サブスクリプション）	無料（Google アカウント）
インストール／利用環境	Windows/Mac アプリ＋Web版	Webブラウザ／モバイルアプリ
オフライン対応	ネイティブアプリでフル対応	Chrome 拡張で限定的に対応
リアルタイム共同編集	OneDrive 経由で共有、ややラグが生じる場合あり	リアルタイム同期＆コメント機能が充実
マクロ・自動化	VBA による高度なマクロ	Google Apps Script（JavaScript ベース）
関数・機能拡張	豊富な組み込み関数＋Power Query 等	標準関数多数＋アドオン／GAS で拡張可
グラフ作成	高度なグラフ・ピボット機能	基本的なグラフ＋ピボットテーブル機能
連携サービス	Power BI、SharePoint、Teams 等	Google ドライブ、BigQuery、Looker Studio 等
バージョン管理	自動バックアップ＋履歴管理ただし事前設定が必要でクラッシュすることも	自動保存＆詳細な履歴一覧
モバイル対応	モバイルアプリあり（機能制限あり）	モバイルアプリあり（基本操作はほぼ網羅）
セキュリティ設定	ファイル単位の権限設定	シート／セル単位の共有権限を細かく設定可能
ストレージ容量	OneDrive 容量に依存	Google アカウントの無料ストレージ（15GB）内

スプレッドシートを使うメリットは？

スプレッドシートを活用することで、データの整理や共有、分析がスムーズになります。特にオンライン対応やコスト面での強みは、多くの企業やチームで支持される理由といえるでしょう。

メンバーとのやり取りがスムーズに

クラウドベースのスプレッドシートは、複数人で同時に編集できる点が最大の魅力です。離れた場所にいるメンバーともリアルタイムで会議をしながら意見を反映し合うことが可能です。

リアルタイム同時編集：編集内容が即座に反映され、履歴管理も自動で行われます。
コメント機能：セル単位でコメントを付与し、ディスカッションができます。
権限設定：閲覧・編集・共有権限を細かくコントロールできるため、情報漏えいリスクを軽減できるでしょう。

仕事で使う場合、これらの機能はGoogleスプレッドシートの強みといえるでしょう。

無料で使える

Google スプレッドシートは、無料プランでも十分な機能を提供しています。

基本機能が無料：セル計算・グラフ作成・基本的な関数はすべて無料で利用可能です。
ストレージ容量：Google アカウントの無料ストレージ内で管理でき、中小規模のデータなら十分でしょう。
アップデート不要：クラウド提供のため、常に最新版の機能を自動的に利用できる点もメリットです。

そのため、初期コストを抑えたいスタートアップや個人利用にも最適といえます。

Googleスプレッドシートの始め方・使い方

Googleスプレッドシートの登録方法や基本的な使用方法を解説します。操作方法はExcelとほとんど同じなので、はじめて操作するメンバーでも安心です。

STEP

Webブラウザ版にログイン

「Googleスプレッドシート」の公式サイトにアクセスし、「ログイン」をクリックします。

ログイン画面が表示されるので、ご自身のGoogleアカウントにログインしましょう。もしアカウントを持っていない場合、スプレッドシートを利用するのであれば必要なので、作成します。

STEP

空白のシートを立ち上げる

Googleアカウントにログインすると、スプレッドシートの画面が表示されます。

この画面では、

新しいスプレッドシートの作成
過去作成したり、アクセスしたことのあるスプレッドシートの確認
自分が作成したスプレッドシートの削除

などが実施できます。

まずは、下記の画像のように「空白のスプレッドシート」をクリックして新しいスプレッドシートを立ち上げてみましょう。

クリックすると「無題のスプレッドシート」が開きます。

タイトルをつけなければ管理が大変になりますので、立ち上げ直後に名前の変更をおすすめします。画面左上にある「無題のスプレッドシート」をクリックすると、自由にタイトル入力が可能です。

STEP

他のユーザーと共有して同時編集を行う

Google スプレッドシートの強みは他のユーザーとシートを共有し、リアルタイムで同時編集することができる点です。

Google スプレッドシートの共有は、次の手順で進めましょう。

①スプレッドシート画面右上の「共有」をクリック

②スプレッドシートを共有したい相手のGmailアドレスを入力し「完了」をクリック

これにより、招待したい相手とGoogleスプレッドシートを共有することができ、リアルタイムで同時編集することができます。

なお、シートの権限を「リンクを知っている人全員」に変更すると、スプレッドシートに招待する必要はありません。スプレッドシートのURLを共有するだけで、URLを知っている人全員がアクセスすることが可能となります。

社内業務にスプレッドシートを利用する場合、アクセス権限は「制限付き」で、共有したい方のGmailアドレスを招待しましょう。

STEP

作業後の編集履歴を確認する

Googleスプレッドシートは、編集した内容がリアルタイムに保存されていきます。そのためExcelでありがちな「保存ボタンを押していないので、データが消えた」というミスは起きません。

また、編集した内容は履歴として残っていますので、

誰が
いつ
何を編集した

上記確認することができ、また編集履歴から過去のバージョンに戻すことが可能です。

Google スプレッドシートの編集履歴の確認は、次の手順で進めましょう。

①画面右上にある時計マークをクリック

②編集内容・編集者の名前・編集時間の確認が可能

変更履歴の画面では、

画面の左側
- 変更が加えられたセルが緑色に表示される
画面の右側
- 編集したアカウントの名称
- 編集した時間

これらの内容を確認することができます。

③過去のバージョンを選択し「この版を復元」をクリック

編集前に戻りたい場合、その特定のバージョンを選択し「この版を復元」をクリックすると、その時点でのスプレッドシートに戻すことができます。

編集内容が間違えていた場合は、この編集履歴の管理画面を利用すると便利です。

STEP

コメントでフィードバックを行う

Google スプレッドシートは、特定のセルに対してコメントを残すことができます。

コメント入力により

セルの内容を補足説明
セルの対応について質疑応答

ができますので、作成したスプレッドシートの意味を伝えやすくなります。

また、コメントは「セル」の内容に影響がないので、シート全体のレイアウトは崩れません。

コメント機能は、コメントしたいセルを選択・右クリック＞コメントで行うことが可能です。

コメント入力がされると、セルの右上に黄色のマークが表示されます。また、カーソルを合わせると入力されたコメントが確認でき、コメントを入力したGoogleアカウントの名称・コメント入力時間・コメント内容が記載されています。

STEP

Google スプレッドシートの保存・出力

Googleスプレッドシートはクラウド上にリアルタイムで自動保存されます。そのため、Excelのように保存するボタンはありません。

一方で、作成したスプレッドシートは

Microsoft Excel（.xlsx）……Excelで編集可能な形式
OpenDocument（.ods）……表計算ソフトで編集可能な形式
PDF（.pdf）……データ配布しやすいPDFの形式
ウェブページ（.html）
カンマ区切り形式（.csv）……外部システム利用時でよく用いられる形式
タブ区切り形式（.tsv）

上記の形式でローカルデータとして出力することができます。

左上のファイルをクリックし、ダウンロード項目から任意の形式を選択して出力しましょう。

スプレッドシートの無料テンプレート活用術

無料テンプレートを活用すれば、スプレッドシートをゼロから作る手間を削減し、すぐに業務やプライベートの管理を開始できます。

公式ギャラリーからビジネス向けまで幅広いラインナップをチェックし、自分に合ったフォーマットを選ぶだけで、作業効率が飛躍的に向上するでしょう。テンプレートのカスタマイズ方法やおすすめ事例もあわせてご紹介しますので、すぐに使いこなせるはずです。

Google公式テンプレートの探し方

Google スプレッドシートには、業務効率化に役立つ公式テンプレートが数多く用意されています。以下の手順で簡単に探せますので、ぜひ活用してみてください。

スプレッドシートを開く
- Google ドライブから新規作成 > 「Google スプレッドシート」をクリックします。
テンプレートギャラリーを表示
- 画面右上の「テンプレートギャラリー」を選択すると、多彩なテンプレートが表示されます。
テンプレートを選択
- 気になるテンプレートをクリックすると、新しいスプレッドシートが立ち上がり、テンプレートを利用することができます。

ビジネス用テンプレート事例

業務の標準化や報告書作成をスムーズにするビジネス用テンプレートをご紹介します。これらをベースにカスタマイズすれば、チーム全体の作業効率が向上するでしょう。

ビジネス用テンプレートの内容

プロジェクト管理表
- タスクステータスや担当者、期限を一括管理できる一覧表です。ガントチャート風の視覚化も可能です。
予算／経費管理シート
- 月別・カテゴリ別に支出と収入を自動集計し、グラフで推移を把握できます。
営業活動報告テンプレート
- 商談状況や顧客フォロー履歴を記録し、月次レポートのフォーマットとして活用できます。

個人向けテンプレート事例

プライベートのスケジュール管理から家計簿まで、個人利用に最適なテンプレートも豊富に揃っています。日常生活を少し整理したい方におすすめです。

個人向けテンプレートの内容

家計簿テンプレート
- 収支を日付・カテゴリ別に入力すると、自動で月間サマリーやグラフ化してくれます。
ToDo
- 日々やるべきことを可視化し、進捗状況を整理することができます。
旅行プランナー
- 日程・予算・持ち物リストを一元管理し、旅程表としても印刷可能です。

その他のテンプレートの探し方

公式ギャラートではなく、WEB上で任意に公開されているスプレッドシートの活用もおすすめです。自分の用途にぴったり合ったフォーマットを見つけるコツを押さえれば、効率よく管理・分析が進むでしょう。

テンプレートの探し方のコツ

検索キーワードを工夫する
- 「スプレッドシート　無料　テンプレート　業務」や「Google Sheets　家計簿　テンプレート」など、用途＋「無料」「テンプレート」を組み合わせて検索するのがおすすめです。
- 英語リソースを活用する場合は “Google Sheets template”＋目的（例: “budget”）で検索すると、多彩なフォーマットがヒットします。
専門サイト・ブログをチェック
- 「テンプレート配布サイト」や「フリー素材サイト」には専用カテゴリが用意されていることが多く、業務管理やプロジェクト管理、一人暮らし家計簿など、目的別に探しやすいでしょう。
- 個人ブログでは独自にカスタマイズしたテンプレートが公開されているケースもあるため、検索結果の2～3ページ目まで目を通すと掘り出し物が見つかります。

なお、公開されているスプレッドシートは「編集＞コピーを作成」により、自身のドライブに新しいスプレッドシートとして立ち上げることが可能です。

スプレッドシートに関するよくあるFAQ

Google スプレッドシートの利用を検討している方が、疑問に持ちやすい内容やそれに対する回答をご紹介します。

Excelデータをスプレッドシートで開くことはできますか？

可能です。

Excelで作成したデータをGoogleスプレッドシートで開くためには、

スプレッドシートの画面を開く
左上の「ファイル＞インポート」を選択
アップロードを選択し、開きたいExcelファイルをクリック（もしくはドラッグ）
ファイルをインポート画面でインポート場所を下記より選択（主に利用する選択肢として）
- スプレッドシートを新規作成する……新しいスプレッドシートが立ち上がり、そのシートにExcelの内容が表示されます
- 新しいシートを挿入する……現在開いているスプレッドシート上に新しいシートが立ち上がり、、Excelの内容が表示されます
- スプレッドシートを置換する……現在開いているスプレッドシートの内容が、Excelに置換されます

以上の手順で、スプレッドシート内にExcelデータを表示することができます。ExcelをインストールしていないPCやスマートフォンでもExcelデータが確認できるのは、メリットでしょう。

ただし、レイアウト等が変更されている場合があるので、注意してください。

スプレッドシートではどのような関数が利用できますか？

Googleスプレッドシートにも、Excelとほとんど同じ関数が備わっています。

そのため、集計が難しい計算や、一定の条件に基づいた内容の集計等が簡単に行えます。下記表に主な関数を記載しますので、ご参考ください。

カテゴリ	関数名	説明
集計・統計	`SUM`	範囲内の数値を合計する
	`AVERAGE`	範囲内の数値の平均を求める
	`COUNT`	範囲内の数値セルの個数を数える
	`MAX` / `MIN`	範囲内の最大値／最小値を返す
論理	`IF`	条件式に応じて異なる値を返す
論理	`AND` / `OR` / `NOT`	複数条件の論理演算を行う
検索・参照	`VLOOKUP`	範囲の左端列を検索して横方向に値を取得する
	`HLOOKUP`	範囲の上端行を検索して縦方向に値を取得する
	`INDEX` / `MATCH`	セルの位置を指定して値を取得。または検索して位置を返す
テキスト	`CONCAT` / `CONCATENATE`	複数の文字列を結合する
	`TEXT`	数値を指定した表示形式の文字列に変換する
	`LEFT` / `RIGHT` / `MID`	文字列の一部を抜き出す
日付・時刻	`TODAY`	今日の日付を返す
	`NOW`	現在の日時を返す
	`DATE` / `TIME`	年月日や時分秒から日付／時刻を生成する
	`YEAR` / `MONTH` / `DAY`	日付から年／月／日を抽出する
数学・三角	`ROUND` / `ROUNDUP` / `ROUNDDOWN`	数値を四捨五入／切り上げ／切り捨てする
数学・三角	`RAND` / `RANDBETWEEN`	0〜1 の乱数、または指定範囲の整数乱数を生成する
配列・フィルタ	`UNIQUE`	範囲内の重複しない値の一覧を返す
	`FILTER`	条件に合う行／列だけを抽出する
	`SORT`	範囲を指定したキーで並べ替える
外部連携	`IMPORTRANGE`	他のスプレッドシートからデータをインポートする
外部連携	`IMPORTXML` / `IMPORTHTML`	ウェブページのXML／HTMLテーブルを取り込む
財務・分析	`PMT`	ローンの定期支払額を計算する
財務・分析	`NPV` / `IRR`	正味現在価値／内部収益率を計算する