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社会保険労務士に相談すべきシーン・依頼できる業務とは?費用は?【社労士が解説】

社労士 相談できること
執筆者プロフィール

矢野 貴大

TSUMIKI社会保険労務士事務所/代表・社会保険労務士

金融機関・社会保険労務士法人・国内大手コンサルティング会社を経て大阪で社会保険労務士事務所を開業。

25歳で社労士資格を取得した後、社会保険労務士・経営コンサルタントとして延べ200社を超える企業・経営者をサポートする。その経験を活かし「想いを組み立て、より良い社会環境を形づくる」というMISSIONに向かって日々活動中。

企業運営を行う上で、

  • 従業員が増えてきたから専門家に労務業務や給与計算を外注したい
  • 従業員から労務管理について質問があったが答えられなかった
  • 労働基準監督署の調査が入ったため、今後は問題ない労働環境を作りたい

という経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。人事労務は非常にセンシティブな内容も多いため、対応を誤ってしまうと経営上のリスクに発展することは珍しくありません。

本記事では、社会保険労務士に相談すべきシーンや、企業の特徴、依頼できる業務について解説しますので、 社会保険労務士に相談すべきか迷われていたり、依頼を考えている場合はぜひ参考にしてください。

TSUMIKI社会保険労務士事務所では、初回無料で経営相談を承っておりますので、ご利用ください。

このページの概要

社会保険労務士に相談できることとは?

社会保険労務士は、人事・労務に関する専門家として企業のサポートをしております。そのため「人」に関する悩みやトラブルが生じたときは、社会保険労務士に相談をしましょう。具体例として、4つのシーンを取り上げてお伝えします。

従業員の雇用に関する相談

従業員を採用するには、雇用契約の内容を考える必要があります。

労働時間・給与・福利厚生といった細かな労働条件を考える必要があり、労働基準法や労働契約法といった専門的な知識が必要不可欠です。安易に決めてしまうと、せっかく採用できた従業員の方とトラブルに発展することもあります。

従業員を一人でも雇用している経営者の方は、社労士に相談することをおすすめします。

労働保険・社会保険手続きに関する相談

従業員を雇用すると、様々な労働・社会保険に関する手続きを行う必要があります。

例えば、

  • 従業員を採用した場合……雇用保険・社会保険の資格取得届
  • 従業員が退職した場合……雇用保険・社会保険の資格喪失届、離職票
  • 従業員が妊娠した場合……産休育休に関する社会保険の届出
  • 従業員が怪我をした場合……健康保険の給付申請手続きもしくは労災保険の休養給付・第三者行為の給付手続

また、一年を通じて

  • 社会保険の算定基礎届け/月額変更届け
  • 労働保険の年度更新手続き 等

等の手続きを行う必要があります。

手続きは法令で定められておりますので期日を守り正確に処理をしなければなりません。このような手続きを、自社で対応が難しいと少しでも感じましたら、社労士に相談することをおすすめいたします。

職場のルール(就業規則・労使協定)に関する相談

「従業員が怪我をして、仕事ができない」「だらしない格好で出社する従業員がいて、風紀が乱れてしまっている」

このような悩みを経営者の方からよくいただきます。

明確なルールがなければ、従業員の管理ができなくなり、真面目に働く従業員に悪影響を及ぼす可能性があります。 予め職場のルールを作り、トラブルの種を減らすことが重要です。

社会保険労務士は、就業規則・労使協定といった書類を唯一作成代行ができる専門家になります。

下記のような規定・ルールを整備したい場合は、特に相談すべきと言えます。

就業規則・規程例
  • 就業規則
  • 賃金規程(給与規程)
  • 退職金規程
  • マイカー通勤規程
  • SNS管理規程
  • 育児介護休業規程
  • 慶弔見舞金規程
  • 休業復職規程
  • 副業規程
  • テレワーク規程
労使協定例
  • 三六協定
  • 休憩時間の一斉付与除外協定
  • 1年単位の変形労働時間制の労使協定
  • フレックスタイム制の労使協定
  • 貯蓄金管理に関する労使協定
  • 賃金控除に関する労使協定
  • 事業場外みなし労働時間制に関する労使協定
  • 専門業務型裁量労働制に関する労使協定
  • 企画業務型裁量労働制の労使委員会の決議等
  • 年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定

労使トラブル・行政対応に関する相談

経営者の方からよくいただくご質問として

「残業代が未払いになっているのではないか?と労働基準監督署から連絡があった」「忙しい時期にまとまった有給休暇申請があり、従業員と揉めてしまった」

このような労務トラブル事例があります。

労務管理に関するトラブルは、問題になってからでは会社・経営者が不利になるケースが多く、慎重な対応が求められます。 また、経営者が知らずしらずの間に、問題が大きくなっていることもあります。

よくある労務トラブルとして、下記事例を紹介しますので「これは自社にも当てはまりそうだ」と感じられたら注意をしましょう。

問題社員とのトラブル

勤務態度は悪い一方で、権利主張ばかり行う社員

パワハラ・セクハラ・マタハラを巡るトラブル

自覚・無自覚問わず、ハラスメントを行う社員

プライベートで問題を起こす従業員とのトラブル

痴漢や飲酒運転等の刑事事件を起こした社員

労使トラブル

未払い賃金、労働条件の変更等をめぐる従業員とのトラブル

社会保険労務士に相談する方法は?

専門家に相談をする場合、どのようにすればいいのか迷われることもあると思います。 また、契約する社労士事務所によっては「電話ではなくメールで相談してほしい」ということもあります。

これから社会保険労務士との契約を考えている場合は、予め相談方法がどのようになっているのか見極めておきましょう。ここでは主な3つの相談方法について、メリット・デメリットで解説いたします。

電話での相談

メリットデメリット
速い・即時対応してもらえる
臨機応変な対応ができる
文章ではなく口頭でやりとりするため、頭の中にある不安をそのまま相談できる
相手の時間を奪う
口頭でのやり取りになるため記録に残らない
お互いに作業が中断される
伝達できる情報量が少なく正しく伝えにくい

メールでの相談

メリットデメリット
相談内容、回答内容ともに記録に残る
電話と異なり相手の都合を考えずに送れる
事務所によってはレスポンスが遅くなりやすい
メールを読まれているのか分かりにくい
誤送信や誤入力に対処しにくい

ビジネスチャットでの相談

メリットデメリット
相談内容、回答内容ともに記録に残る
メールや電話よりも気軽でスピーディー
メールよりも簡単に投稿できる分、細かな共有も気兼ねなくできるので、活発な情報共有が期待できる
対応をしていない事務所が多い
ツールによってはコストが掛かる

相談方法のまとめ

特色をまとめると、次のようになります。

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電話メールビジネスチャット
相談のしやすさ
レスポンスの速さ
記録に残る
資料の共有

契約する際に、どのような連絡手段が望ましいのか事前に確認をしておくことをおすすめします。当事務所では、お客様と距離を近くしたい・レスポンスを早くしたいという思いで、ビジネスチャットを推奨しております。

社会保険労務士に依頼ができる業務とは?

先程は社会保険労務士に相談をするべきシーンや、主な相談方法をお伝えしました。では具体的に、どのような仕事を社会保険労務士に依頼できるのでしょうか?

相談業務も含めて、社会保険労務士に依頼ができる労務管理業務を解説します。また、TSUMIKIでは企業のニーズに応じたサポートもしておりますので、興味のある経営者の方は併せてご確認ください。

労務相談に関するアドバイザリー

社会保険労務士に業務を依頼する際の基本的なサービスが「労務相談に関するアドバイザリー」です。

一人でも雇用しながら企業経営をすると、労務問題に頭を悩ませる瞬間が必ずあります。

  • どのような方を採用するのか、給与や待遇はどうするのか
  • 労働保険や社会保険の加入はすべきなのか、どのように手続きをするのか
  • 給与計算に誤りはないのか、割増賃金はいくら支払う必要はあるのか

労務管理はセンシティブですので、何となくで行っていると必ずトラブルに発展しますが、こういった問題に対応するには労働諸法令やノウハウ、事例を持っている人事職の方が必要になります。しかしながら、多くの中小・中堅企業では、そのような人材の採用は難しいため、社会保険労務士に依頼する企業が増えております。

労働・社会保険に関する手続きの代行

「労働・社会保険に関する手続きの相談」で解説しましたが、 各種手続きの作成が難しいと感じた場合、社会保険労務士に業務を委託することができます。

必要な情報を伝えるだけで、

  • 書類の作成
  • 関係行政への届け出
  • 行政からの問い合わせ対応

を任せることができます。 手続きの作成には専門的な知識だけでなく、期日管理も必要になりますので、従業員の入退社が定期的に発生する企業は積極的に依頼することで本業に集中することができます。

給与計算の外注

給与計算は、必要な勤怠情報を集計し、入退社の情報(保険料・税金)を反映し、毎月・遅滞なく・正確に行う必要がある煩雑な業務です。

一方で、企業にとっては間接業務でしかなく、自社で給与計算を行っても経営上のメリットに中々繋がりません。むしろ、給与という機密性の高いデータですから外部にアウトソースした方が安全かつ費用も安く済むと言うメリットもありますので、確実性と機密性を保持するならアウトソースをお勧めします。

当事務所では、締日以降順次勤怠データなどをいただき、遅くとも支給日4日前までにはデータを納品します。もちろん個人個人に給与明細を出すことも可能です。社会保険料や労働保険料の計算、扶養と源泉所得税の計算等複雑で間違いも起こしやすいデリケートな業務ですので専門家にお任せください。

人事・労務に関するコンサルティング

人事・労務コンサルとは、適切な労務管理や人材マネジメントを行うために、経営者・従業員の意識改革を行いながら人事評価の見直し、労働環境の改善を行ったり、労務トラブルを未然に防ぐための管理体制を構築したりする業務を行うコンサルタントをいいます。

社会保険労務士と契約した場合の費用について

社会保険労務士の業界では「単発で業務を依頼する方法」と「継続して業務を依頼する方法」の2つの方法があります。それぞれの違いとしては

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スポット契約
(単発で業務を依頼する場合
顧問契約
(継続して業務を依頼する場合
費用1件ごとに料金が決まっており
必要に応じて依頼可能
毎月定額に必要なため
負担になりやすい
相談頻度契約外の場合はできない常に相談ができる
サポート範囲特定の範囲のみ広範囲

このような特徴があります。

顧問契約をすると、毎月費用が発生するためスポット契約と比べて必要負担は大きくなりますが、スポット契約の場合は単価が高く設定されているケースがあります。そのため繰り返しスポットで依頼するよりも顧問契約の場合が費用も安く抑えられることもあります。

顧問契約・スポット契約ともに

  • 雇用している従業員の人数
  • 依頼できるサポート範囲
  • 作成する書類や稼働する時間ごとの単価

この3つの観点で料金設定がされていることが多いので、それぞれ解説いたします。

雇用している従業員の人数

雇用する従業員数ごとに、顧問契約の費用を決めているケースがあります。例えば労務相談を依頼する場合

  • 従業員数:5名未満
    • 月額11,000円(税込み)
  • 従業員数:6名~10名未満
    • 月額22,000円(税込み)
  • 従業員数:11名~20名未満
    • 月額33,000円(税込み)
  • 従業員数:21名~30名未満
    • 月額55,000円(税込み)
  • 従業員数:31名~50名未満
    • 月額66,000円(税込み)
  • 従業員数:51名~100名未満
    • 月額77,000円(税込み)

このように、従業員数が増えるごとに料金が加算されるイメージです。

従業員数に応じて料金が加算される背景には、労務トラブルの発生頻度や、業務発生量が考慮されていることが多いと言えます。

依頼できるサポートの範囲

社会保険労務士も、士業とはいえサービス業と同じです。そのため同じ顧問契約といっても事務所が違うと業務範囲は当然異なります。例えば給与計算業務を同じ料金で依頼する場合であっても

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業務フロー 社労士事務所A社労士事務所B
勤怠システムの選定・提案クラウドに疎いため対応不可能別途料金が必要
勤怠内容のチェック別途料金が必要
給与計算
給与明細書の発行紙のみWEB明細も対応可能
給与に関する相談別途料金が必要

業務として受けられる範囲や、月額の顧問料金内で依頼できる内容が異なることは多々あります。

また、そもそもサポートが受けられるのかどうか、という違いもあります。助成金業務は特に顕著で取り扱いすらしない事務所もございますので、会社として依頼したい業務に対応ができるのか見極めることが重要と言えるでしょう。

TSUMIKI代表

弊社にご相談をいただく際に「今の社労士が助成金を全く提案してくれないから」というケースが増えています。しっかりとニーズに合ったサポート範囲があるのか見極めておきましょう。

作成する書類や稼働する時間ごとの単価

顧問契約をしていても、書類や作業する業務内容によっては別途単価が決まっていることもあります。

就業規則の作成や助成金の申請が分かりやすく、

  • 就業規則の新規作成……50,000円~200,000円
  • 就業規則の見直し……10,000円~100,000円
  • 助成金の申請サポート……成果報酬として受給金額の10~30%

事務所内で業務に必要な時間や工数から逆算して決めるため、事務所によって料金設定がバラバラになっています。

そのため、

「A事務所では就業規則が100,000円だったけど、B事務所に頼むと20,000円。安いからB事務所に依頼しよう」となった場合、B事務所ではほとんど雛形の就業規則で、会社のルールや方向性を考慮して作成してくれなかった……ということも考えられますので、依頼する前に金額の根拠やサポート内容についてしっかりと確認しておきましょう。

社会保険労務士の選び方とは

社会保険労務士にどのような業務が依頼できるのか、実際に相談する際にどの程度料金が必要なのか、解説をいたしました。

これから社会保険労務士との契約を検討している経営者の方に向けて、自社にあった社会保険労務士を選ぶ際のポイントを3つお伝えします。

外注コストの金額を決める

専門家に依頼する場合は、自社で対応したときの時間・費用と比較して考えましょう。労務管理には専門的知識が必要なため、費用が安いから、という基準で選んでしまうと

  • レスポンスが遅い
  • 法律の解説のみで、自社にあった提案をしてくれない
  • 助成金はできないと断られる

などといった状況も考えられます。士業もサービス業と同じですので、安かろう悪かろうということもありますので、注意はしておきましょう。

どのような業務を依頼するのか決める

労務管理における課題から逆算して、どの業務を専門家に依頼するべきなのか検討するというのも一つの手になります。社会保険労務士事務所によって対応可能な業務は異なりますので、

  • 依頼したい業務だけを頼んだ場合、どのようなサポートを受けられるのか?
  • 依頼したい業務について、どこまで対応をしてくれるのか?

契約前に、ニーズに沿ったサポートが受けられるのかしっかりと確認することができます。顧問契約といっても、望んだサポートが受けられなければ、依頼する意味はありません。しっかりと事前にどんな課題があり、何を専門家に依頼したいのか決めておくことをオススメいたします。

無料相談を活用する

同じ専門家といえど、フィーリングが合う・合わないといった人間関係的な部分もあります。

基本的に初回面談は無料で実施している事務所が多いので、まずは社労士事務所の代表や職員とあって、話をしてみるというは重要です。

また、業務を依頼した際にどのようなサポートを提供してくれるのかも確認しておきましょう。企業の規模や状況に併せて、労務管理ですべきことは異なります。社労士に依頼するべきかどうか、専門家の意見を参考に顧問契約を検討しましょう。

当事務所でも、初回相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

本記事では、社労士に相談すべきシーンから、相談する方法、契約時の費用感について解説いたしました。

同じ社会保険労務士といっても、事務所によってサポート範囲・料金は全く異なります。信頼できる事務所と契約をするためにも、参考にしていただけますと幸いです。

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