【初めてのビジネスメール】挨拶の書き方や「はじめまして」で好印象を与えるポイント

社会人として最初に送るビジネスメールは、相手に与える第一印象を大きく左右します。特に「はじめまして」という気持ちを伝える挨拶は、単なる形式的な一文にとどまらず、自分の誠意や信頼感を伝える重要な要素です。
しかし、いざ書こうとすると「どんな表現が正しいのか」「失礼に当たらないか」と迷う方も少なくありません。そこで今回のコラム記事では、初めてのビジネスメールで好印象を与える挨拶文の書き方や注意点をわかりやすくご紹介いたします。具体例もありますので、挨拶の書き方のご参考になれば幸いです。
初めてのビジネスメールで大切な「第一印象」とは?
初めてやり取りをする相手へのメールでは、冒頭の数行でその後の関係性が左右されると言っても過言ではありません。
特に「はじめまして」という言葉は基本である一方、それだけでは相手に誠実さや配慮が伝わりにくいこともあります。ここでは、好印象を残すための冒頭挨拶の工夫や、適切な敬語の使い方について見ていきましょう。
冒頭挨拶は“はじめまして”だけでは足りない理由
「はじめまして」という表現は確かに無難でシンプルですが、相手にとっては誰からの連絡なのか、どんな目的のメールなのかがすぐに伝わりにくいというウィークポイントがあります。
特にビジネスの場では、相手は日々多くのメールを受け取るため、最初の一文で印象を残すことが重要ですので、単に「はじめまして」と述べるだけでなく、以下のような情報を簡潔に加えると良いでしょう。
- 自分の所属(会社名や部署名)
- 相手に連絡した目的
- 相手への敬意を示す一言
こうした工夫により、相手は「誰から」「なぜ」メールが来たのかを瞬時に理解でき、やり取りがスムーズに進みます。
「突然のご連絡失礼いたします」「初めてメールを差し上げます」などの定番フレーズ
初めての相手に送るメールでは、相手の時間をいただいていることを意識し、丁寧な配慮を示すフレーズを添えることも効果的です。
よく使われる定番の表現としては
- 「突然のご連絡失礼いたします。」
- 「初めてメールを差し上げます。」
- 「このたびはご多忙のところ失礼いたします。」
上記フレーズは、相手に対する敬意や謙虚さを示す役割があります。形式的な文言ではありますが、ビジネスの場ではよく用いられるフレーズとなりますので、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
敬語や言葉づかいで失礼にならないようにするポイント
冒頭の挨拶だけでなく、文章全体における敬語の使い方も、第一印象に直結します。
特に初めてのメールでは、以下の点に注意すると安心です。
- 二重敬語を避ける(例:「お伺いさせていただく」ではなく「お伺いします」)
- 過度にかしこまりすぎない(必要以上に難解な表現は、かえって不自然に感じられる)
- 読みやすさを意識する(改行や句読点を適切に入れ、冗長な言い回しを避ける)
こうした基本的なルールを押さえることで、丁寧でありながらも自然体のメールになり、相手に安心感を与えられるでしょう。
メール全体の構成と基本的なマナー
初めてのビジネスメールでは、挨拶だけでなく「全体の構成」や「マナー」を押さえることが欠かせません。
読みやすく、誤解のない文章であるほど、相手からの信頼を得やすくなります。ここでは、件名・宛名・本文のそれぞれで意識すべきポイントを整理してみましょう。
件名は内容がひと目で分かるものにする
ビジネスメールにおいて件名は、相手がメールを開封するかどうかを左右する最初の判断材料です。件名が曖昧すぎると、他のメールに埋もれてしまう可能性があります。
件名をつける際のポイントは以下の通りです。
- 具体的に書く(例:「○○株式会社 営業部の件でご連絡」)
- 要件がひと目で分かる(「打ち合わせ日程のご相談」「資料送付のお願い」など)
- 長すぎないようにする(目安は20〜30文字前後)
相手の立場に立ち、「この件名ならすぐに内容が想像できるか」を意識すると、読みやすさと信頼感につながります。

宛名・自己紹介は正しく、簡潔に
メール冒頭で必ず入れるのが宛名と自己紹介です。これを怠ると、相手は「誰からのメールなのか」を判断できず、不安や不信感を抱く原因になってしまいます。
自己紹介では、以下の要素を過不足なく盛り込むと良いでしょう。
- 相手の会社名・部署名・役職名を正確に書く
- 自分の会社名・部署名・氏名を名乗る
- 初めてのやり取りであることを一言添える
たとえば、
といった流れで記載すると、シンプルかつ丁寧な印象を与えられます。
本文の要件は簡潔に!5W2Hを意識して伝える
メール本文では、要件をダラダラ書かず「読みやすさ」と「明確さ」が重要です。
そのためには、報告や依頼の基本フレームである 5W2H(When・Where・Who・What・Why・How・How much) を意識するとよいでしょう。
- When(いつ):日程や期限
- Where(どこで):会議場所や対応範囲
- Who(誰が):関係者や担当者
- What(何を):具体的な依頼や内容
- Why(なぜ):目的や背景
- How(どのように):手段や方法
- How much(いくら):費用や数量
この枠組みを活用することで、相手にとって理解しやすく、返信もしやすいメールになります。特に初回の連絡では「簡潔に、しかし必要な情報はきちんと盛り込む」ことが、信頼されるメールの条件といえるでしょう。
「はじめまして」以外で使える挨拶文例とシーン別のテンプレート文
挨拶の書き方には基本的な型がありますが、実際にはメールを送る「シーン」によって適切な言葉遣いや表現が異なります。
ここでは、取引先への初めての挨拶や、紹介を受けて連絡するケース、担当変更や着任の際のメール例文を紹介します。すぐに使えるフォーマットとして参考にしてみてください。
初めて取引先に送る挨拶メールの例文
新しく取引が始まる際のメールは、信頼関係構築の第一歩です。誠実さを前面に出し、今後の協力体制を意識した表現を使うのが望ましいでしょう。
件名:お取引開始に関するご挨拶【株式会社◯◯】
〇〇株式会社
営業部 部長 △△様
お世話になっております。株式会社〇〇営業部の山田と申します。
このたび貴社とのお取引を担当させていただくことになり、ご挨拶を申し上げたくご連絡いたしました。
今後は円滑な業務のため誠心誠意努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながらメールにてご挨拶申し上げます。
―――――――――――
株式会社〇〇
営業部 山田 太郎
―――――――――――
冒頭の挨拶で「お世話になっております」や「お世話になります」という表現がありますが、どのような使い分けが良いのか迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。下記コラム記事で使い分け方法を解説していますので、ぜひ併せてご一読ください。

紹介を通じて初めて連絡をする場合の例文
共通の知人や取引先から紹介を受けて初めて連絡をする場合には、必ず「誰からの紹介か」を明示することが大切です。紹介者の名前を出すことで安心感を与えられます。
件名:◯◯様からのご紹介によりご連絡差し上げます
△△株式会社
人事部 課長 ▢▢様
突然のご連絡失礼いたします。
株式会社〇〇営業部の山田と申します。
このたび、〇〇株式会社の佐藤様より貴社をご紹介いただき、ご連絡差し上げました。
今後ぜひ一度お打ち合わせの機会を頂戴できればと存じます。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご都合の良い日程をお知らせいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
―――――――――――
株式会社〇〇
営業部 山田 太郎
―――――――――――
担当変更・着任挨拶の例文
担当が変わった際や、新しく着任したときの挨拶メールでは「引き継ぎ体制が整っていること」と「今後も安心して取引できること」を伝えることが大切です。
件名:担当変更のご挨拶【株式会社〇〇】
〇〇株式会社
営業部 部長 △△様
平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
株式会社◯◯の山田と申します。
このたび、従来担当しておりました佐藤に代わり、私が貴社の窓口を担当させていただくことになりました。
これまでの経緯をしっかりと引き継ぎ、今後も円滑な業務を進めてまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
―――――――――――
株式会社〇〇
営業部 山田 太郎
―――――――――――
異動時における挨拶メールの書き方は、下記コラム記事で解説しています。こちらもぜひご確認ください。

初めてのビジネスメールにおける注意事項と回避策
初めてのビジネスメールでは、丁寧さを意識するあまり逆効果になってしまうケースも少なくありません。
ここでは「はじめまして」の使い方や件名、自己紹介などで起こりがちなミスと、その回避方法を具体的に解説します。
「はじめまして」の使い方で誤解を招くパターン
「はじめまして」は無難で使いやすい挨拶ですが、状況によっては違和感を与えることがあります。
たとえば、過去に展示会や電話で一度接点があった相手に対して「はじめまして」と書くと、「以前会ったはずなのに覚えていないのか」と誤解を招く可能性があります。
- 過去に接点がある場合は「先日はお世話になりました」「以前○○にてご挨拶させていただきました」と表現を変える
- 完全に初対面の場合のみ「はじめまして」を使う
状況に応じて適切な挨拶を選ぶことで、無用な誤解を防ぐことができるでしょう。
件名漠然・冗長になってしまうケース
件名が「ご挨拶のメールです」「ご連絡差し上げます」など漠然としたものでは、相手が内容を想像できず、開封を後回しにされる恐れがあります。逆に、あれもこれもと詰め込みすぎて長くなりすぎるのもNGです。
回避策としては、
- 具体的に要点を示す(例:「新規お取引開始のご挨拶(〇〇株式会社 山田)」)
- 20〜30文字程度に収める
- 相手の立場に立って「件名を見ただけで内容が分かるか」を確認する
上記のようにシンプルかつ的確な件名を意識すれば、メールが埋もれるリスクを減らせます。
自己紹介が長すぎて読む気を失わせるパターン
初めてのメールでは丁寧に名乗る必要がありますが、あまりに長い自己紹介は相手の負担になり、要件が伝わりにくくなります。
たとえば、ありがちな例としては
このように経歴を長々と書くと、相手は要件にたどり着く前に読む気をなくしてしまう恐れもあります。
そのため、
- 名乗りは「会社名・部署名・氏名」を基本に、必要なら役職を添える程度にとどめる
- 経歴や詳細は初回メールには不要(必要であれば面談や次のやり取りで伝える)
- 自己紹介文は2〜3行以内を目安にする
端的でわかりやすい自己紹介こそ、相手に好印象を残すポイントと言えるでしょう。
まとめ:初めてのビジネスメールは「丁寧さ」と「簡潔さ」が鍵
初めて送るビジネスメールは、相手に与える第一印象を左右する大切な一通です。
冒頭の挨拶では「はじめまして」だけでなく、自己紹介や連絡の目的を添えることが重要です。また、件名は簡潔かつ具体的に、本文は5W2Hを意識して分かりやすくまとめると好印象につながります。
シーンに応じた挨拶文例を活用しつつ、ありがちなミス(件名が漠然、自己紹介が長すぎるなど)を避けることで、読みやすく誠実なメールを作成できるでしょう。結局のところ、「相手の立場に立って分かりやすく伝える」ことこそが、ビジネスメールで信頼を得る最大のポイントと言えるのではないでしょうか。