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ニーズとウォンツの違いって?目的と手段でわかるマーケティング用語

本記事ではこのようなお悩みを解決いたします
  • 「ニーズ」と「ウォンツ」の違いが曖昧で、マーケティングでどう使い分ければいいか分からない…
  • 消費者の本当の欲求を見極める方法を知りたい…
  • 自分の購買判断に納得感を持ちたいけど、いつも衝動買いになってしまう…

マーケティングの基本用語として頻繁に登場する「ニーズ(Needs)」と「ウォンツ(Wants)」。どちらも顧客の欲求を表す言葉ですが、意味や使い方には明確な違いがあります。

この違いを正しく理解することで、より効果的な商品開発やプロモーション戦略を立てることが可能になります。本記事では、「ニーズ=目的」「ウォンツ=手段」という視点から、それぞれの用語を具体例とともにわかりやすくご紹介いたします。

このページの概要

ニーズ(Needs)とは?定義や意味

マーケティングにおける「ニーズ」とは、消費者が本質的に「必要としているもの」を指します。

これは生活を維持したり、課題を解決したりするために不可欠なものと考えられており、企業が商品やサービスを提供する際の出発点とも言える概念です。

ニーズの定義:なぜ「必要」であるか

「ニーズ」は、単なる欲望や興味ではなく、人間の根源的な問題や不満を解消するために必要な状態や条件を意味します。

たとえば「喉が渇いた」という状態は、体が水分を求めているという“必要性”=ニーズです。

ニーズが明確に認識されている場合もあれば、本人が自覚していなくても存在している場合もあります。このため、企業やマーケターは「どんなニーズがあるのか」を正確に捉えることで、より的確なアプローチが可能になります。

代表的なニーズの例

  • 健康でいたい(→医療・健康食品)
  • 安全に暮らしたい(→保険・防犯グッズ)
  • 効率よく働きたい(→ITツール・自動化機器)

このように、ニーズは人間の生存・安心・成長など、根本的な目的に基づいて生じるものなのです。

顕在ニーズと潜在ニーズの違い

ニーズには、大きく分けて「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」の2種類があります。これはマーケティング戦略を立てるうえで非常に重要な区別です。

顕在ニーズ(けんざいニーズ)

消費者が自ら自覚しており、すでに言語化・行動化されているニーズです。

たとえば「スマホのバッテリーがすぐ切れるので、長持ちするモデルがほしい」という要望は、まさに顕在ニーズの例です。

潜在ニーズ(せんざいニーズ)

 本人がまだ気づいていないが、実際には存在しているニーズです。

たとえば「スキマ時間を有効活用したい」という願望がある人に対し、オーディオブックの提案をするのは、潜在ニーズの掘り起こしになります。

企業が新たな市場を開拓したいとき、この潜在ニーズを発掘し、それに応える商品・サービスを提供できるかどうかが成功の鍵を握ります。

両者を正しく理解し、ターゲットに合わせた訴求を行うことが、マーケティング戦略の成否を左右すると言えるでしょう。

ウォンツ(Wants)とは?定義や意味

「ウォンツ(Wants)」とは、消費者がニーズを満たすために“具体的に欲しいと思う商品やサービス”のことを指します。

つまり、ウォンツはニーズを満たすための「手段」として現れる欲求といえるでしょう。人間の根源的な必要(ニーズ)を出発点として、それを満たすためにどんな選択肢を求めるのか。この違いが、ニーズとウォンツを区別する鍵になります。

ウォンツの定義:欲しい「手段」としての側面

たとえば、「喉が渇いた(ニーズ)」という状態に対して、「コーラが飲みたい」「ミネラルウォーターがいい」「フルーツスムージーにしよう」といった具体的な選択がウォンツです。

ウォンツは文化や価値観、流行、過去の経験など、さまざまな外部要因の影響を受けて形成されます。そのため、同じニーズを持っていても、ウォンツは人によって異なります。

状態(ニーズ)ウォンツ(手段)
お腹が空いたハンバーガー、寿司、パスタ、プロテインバーなど
移動したい自家用車、電車、タクシー、電動キックボードなど
リラックスしたいアロマ、温泉、映画鑑賞、マッサージなど

このように、ウォンツは消費者の選択や行動を直接的に動かす「手段の欲求」として重要な意味を持ちます。

基本ウォンツ・条件ウォンツ・期待ウォンツの3種類

ウォンツはさらに、「どのような基準で求められているのか」によって3つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を理解することで、より深いニーズ分析や商品開発のヒントになります。

基本ウォンツ(Basic Wants)

最低限、ニーズを満たすために必要とされる要素です。

たとえば、「お腹を満たすために何か食べたい」という場合、何でもよいから食事が欲しいという状態が基本ウォンツに該当します。

条件ウォンツ(Conditional Wants)

特定の条件を満たすことを求めるウォンツです。

これは「低カロリーで、しかも満腹感がある食事がいい」といったように、ニーズを満たす“条件”が加わります。ダイエット中の人が求める食事などが典型例です。

期待ウォンツ(Expected Wants)

顧客が「当然それくらいは備わっているだろう」と期待しているレベルのウォンツです。

たとえば、高級レストランであれば料理の味だけでなく、接客や雰囲気も高品質であることが当然とされるなど、無意識的に求められている価値です。


これら3種類のウォンツを理解し、商品やサービス設計に反映させることで、顧客満足度を高めるだけでなく、競合との差別化にもつながるでしょう。

ニーズとウォンツの関係性

ニーズとウォンツは、単なる「欲しいもの」の違いではなく、「目的」と「手段」という関係性で結びついています。消費者がどんな行動をとるかを理解し、的確にアプローチするためには、この2つを切り離さずに捉えることが重要です。

「目的」と「手段」の関係で考える例

ニーズは「なぜそれを欲しいのか?」という目的にあたります。一方でウォンツは、「何をもってそれを満たすか?」という手段です。実際のビジネスや商品企画では、この構造を理解しておくと、より効果的なマーケティング戦略を構築できます。

例えば、夏場にアイスが欲しい場合

  • ウォンツ(手段):アイスクリームを食べたい
  • ニーズ(目的):暑さをしのいで涼みたい、気分転換したい

このように、同じウォンツでも背後にあるニーズは人によって異なる場合があります。つまり、「ウォンツは多様化しやすいが、ニーズはより普遍的」という構造です。

マーケティングでは、この“普遍的なニーズ”に対してどんな“独自のウォンツ”を提案できるかが差別化のポイントになります。

ウォンツからニーズを掘り下げる方法:「なぜ?」を重ねる

消費者が求めているものを本質的に理解するために有効なのが、「なぜ?」を繰り返すニーズ深掘りの手法です。これは、ウォンツからニーズを導く“目的の階層”を探るアプローチとも言えます。

例えば、高級腕時計が欲しいという「ウォンツ」の状態を考える場合、

  • なぜ? → ブランドが好きだから
  • なぜ? → ステータスとして認められたいから
  • なぜ? → 自信を持ちたい、他人に価値を認められたい(ニーズ)

このように、“なぜ”を3〜5回程度重ねて問い直すことで、表面的なウォンツの奥にある根本的なニーズが見えてきます。

この方法は、以下のような場面で特に有効と考えられます。

  • 商品開発前のユーザーインタビュー
  • ペルソナ設計やカスタマージャーニー作成
  • コンテンツマーケティングでの訴求ポイント発掘

ウォンツだけを追いかけると一時的な流行や競合との価格競争に巻き込まれがちですが、ニーズに根ざした戦略は長期的なファンの獲得につながるのではないでしょうか。

具体例で理解しよう!ニーズとウォンツの違い

ニーズとウォンツの違いを理論だけで理解するのは難しいかもしれません。

ここでは、よりイメージしやすくなるように、日常生活・趣味・ビジネスの3つの場面で具体例を紹介します。それぞれの「目的(ニーズ)」と「手段(ウォンツ)」を明確に分けて見ることで、理解が一層深まるはずです。

日常生活での例(例:ミネラルウォーター、掃除機など)

日常生活においても、私たちは常に「ニーズ」と「ウォンツ」を行き来しています。身近な商品を例にすると、その違いがより鮮明に見えてきます。

ミネラルウォーターの場合

  • ニーズ(目的):健康のために安全で清潔な水分を補給したい
  • ウォンツ(手段):有名ブランドの天然水、炭酸水、フレーバー付きウォーター、硬水・軟水の好みなど

同じ「水分補給」というニーズでも、人によって「こだわりのブランド」「味付きがいい」「持ち運びやすさ重視」といったウォンツが変わってきます。

次に、掃除機の場合では

  • ニーズ(目的):部屋を清潔にして快適な生活環境を保ちたい
  • ウォンツ(手段):自動で掃除してくれるロボット掃除機、軽くて持ち運びやすいコードレス掃除機、赤ちゃんがいても使える静音モデルなど

「清潔にしたい」というニーズは共通していても、生活スタイルや家族構成、住居の広さなどによってウォンツは多様化します。

趣味・レジャーでの例(旅行、スポーツ用品など)

趣味やレジャーの分野でも、表面的なウォンツの奥には必ずニーズが存在します。リフレッシュや健康維持といった目的が、具体的な行動や選択に変換されるイメージです。

旅行の場合では、

  • ニーズ(目的):気分をリフレッシュしたい、新しい体験を通じて刺激を得たい
  • ウォンツ(手段):温泉でゆっくり過ごす国内旅行、異文化を楽しむ海外ツアー、自然と触れ合えるグランピング、自由度の高いバックパッカー旅

同じ「リフレッシュ」というニーズでも、人によって求める旅行スタイルは大きく異なります。

次に、スポーツ用品を例にすると

  • ニーズ(目的):健康を維持したい、ストレスを解消したい、体力を向上させたい
  • ウォンツ(手段):長距離用ランニングシューズ、室内で使えるヨガマット、本格的な筋トレベンチ、運動量を記録できるスマートウォッチ

健康や運動習慣を続けたいというニーズは共通していても、ウォンツは運動レベルや目的、ライフスタイルによって変化することになります。

趣味やレジャーは「自分らしさ」や「価値観」が色濃く反映される分野です。だからこそ、ウォンツの違いが顕著に表れますが、その背景にあるニーズを理解することで、より満足度の高い選択が可能になります。

仕事やビジネスでの例

仕事やビジネスの場面でも、表面的なツール選び(ウォンツ)の背後には必ず「効率化」「成果向上」といったニーズが存在します。ここを正しく見極めることで、導入効果や満足度が大きく変わります。

クラウドストレージにおいては

  • ニーズ(目的):データを安全に管理し、チームで効率的に共有したい
  • ウォンツ(手段):Google Drive、Dropbox、OneDrive、企業独自のクラウドサービス

「安全に共有したい」というニーズは共通していても、セキュリティ重視なのか、利便性重視なのかで選ぶサービス(ウォンツ)は変わります。

続いて、会議ツールを軸に考えると

  • ニーズ(目的):チームメンバーとスムーズにコミュニケーションを取りたい
  • ウォンツ(手段):Zoomによるオンライン会議、Microsoft Teamsの統合環境、Slackによるチャット中心のやりとり、Notionでの議事録共有

同じ「円滑なコミュニケーション」というニーズでも、社内文化や業務スタイルに応じてウォンツが分かれます。

ビジネス領域では、ニーズが組織全体の課題に直結するため、ウォンツの選択が生産性や成果に大きな影響を与えます。そのため、単に流行のツールを導入するのではなく、自社のニーズに最適な手段を選ぶことが成功の鍵になるでしょう。

ニーズとウォンツを区別することはなぜ大切なのか

ニーズとウォンツを明確に区別することは、単なる理論の話ではありません。

消費者にとっては「納得のいく選択」に、企業にとっては「売れる仕組み作り」に直結する重要な視点です。ここでは、なぜこの違いを意識する必要があるのか、その実践的な理由を2つの角度から解説します。

商品・サービスを選ぶときの満足度に関わる理由

私たちが買い物をしたあとに「これは良かった」と満足感を得られるかどうかは、その商品やサービスが本質的なニーズを満たしていたかどうかにかかっています。

たとえば、以下のようなケースを考えてみましょう。

  • 高機能なスマホを買ったけれど、使いこなせず不満が残った
  • SNSで人気の化粧品を買ったが、自分の肌には合わなかった

いずれも、「ウォンツに惹かれて購入したが、ニーズには合っていなかった」ために満足度が下がった例です。

逆に、しっかりと自分のニーズを見極めた上で商品を選べば、たとえ価格が高くても「納得感」「長期的な満足感」が得られる傾向があります。つまり、ニーズとウォンツの区別は、後悔しない選択のためのヒントでもあるのです。

マーケティングや広告で効果を上げるための活用方法

企業やマーケターにとって、ニーズとウォンツを理解・区別することは効果的な訴求のために欠かせません。

なぜなら、同じ商品でも「誰に」「どのようなニーズを満たす手段として」伝えるかによって、反応がまったく変わるからです。

実践的な活用法の例を考えてみる
  • 広告コピー
    • ニーズを突く言葉(例:「〇〇したいあなたに」)で感情を動かし、ウォンツで商品名や機能を提示する
  • コンテンツマーケティング
    • 潜在ニーズにアプローチして「なるほど、確かにこれ必要かも」と気づかせる
  • 商品開発
    • ニーズに忠実でありながらも、差別化されたウォンツを設計する

このように、マーケティングでは「ニーズ=共通項」「ウォンツ=差別化ポイント」として両者を組み合わせることで、市場に刺さるメッセージ設計が可能になるのではないでしょうか。

ニーズとウォンツを混同してしまうと、的外れなアプローチになりかねません。消費者・企業のどちらにとっても、この2つを区別して理解することが、的確な判断・選択につながると考えられます。

ニーズとウォンツを見極めるためのチェックリスト

ニーズとウォンツを頭では理解していても、実際の購買行動やビジネス判断の場面では混同してしまうことが少なくありません。そんなときに役立つのが、自分自身に問いかけることで本質的な目的を見極めるセルフチェックの習慣です。

ここでは、ニーズとウォンツを見分けるための具体的な質問や、ウォンツを吟味する際の確認ポイントをご紹介します。

自分に問いかける質問例(例:「なぜそれが欲しいのか?」)

まずは、ウォンツと思われる欲求が出てきたときに、自分に次のような質問を投げかけてみましょう。これにより、表面的な欲望の奥にあるニーズを発見しやすくなります。

自分に投げかけたい質問リスト

  • なぜ、私はそれを欲しいと思ったのか?
  • それを手に入れることで、どんな悩みや不満が解消されるのか?
  • それがなければ困る理由は何か?
  • そのウォンツ以外に、同じニーズを満たせる方法はないか?
  • これは「欲しいもの」か?それとも「必要なもの」か?

これらの問いを重ねることで、「本当に必要としているのは何か?」という根本的なニーズにたどり着く手助けになります。

ウォンツが浮かんだときに確認すべきポイント(手段・代替手段など)

「これが欲しい」とウォンツが先に浮かんでしまうのは自然なことです。

ただし、それが最適な選択かどうかは慎重に検討する必要があります。以下のポイントを確認することで、より本質的で合理的な判断がしやすくなります。

ウォンツ確認のチェックポイント

  • そのウォンツは、どんなニーズを満たすための手段か?
  • 他に、同じニーズを満たせる代替手段はあるか?
  • 価格、機能、利便性などの面で、よりよい選択肢はないか?
  • それを選ぶ理由は“自分の価値観”に基づいているか、それとも“流行や他人の意見”に左右されていないか?
  • 長期的に見て満足できる選択か?

こうした確認を習慣化することで、感情的・衝動的なウォンツに振り回されず、本当に自分にとって価値のある選択ができるようになります。


ニーズとウォンツの見極めは、マーケティングだけでなく、日常の選択や意思決定にも活用できるスキルです。自分自身の欲求にしっかりと向き合うことで、より納得のいく人生設計や商品選びが実現できるでしょう。

まとめ:ニーズとウォンツを理解すれば、選択も戦略も変わる

本記事では、マーケティングの基本である「ニーズ(Needs)」と「ウォンツ(Wants)」の違いについて、目的と手段の関係性を軸にご紹介いたしました。

ニーズ

「本質的な必要性」=目的

ウォンツ

「そのニーズを満たすための選択肢」=手段

この違いを理解することで、日常の消費行動でも「なぜそれが欲しいのか?」と自問でき、より納得感のある選択ができるようになります。また、ビジネスやマーケティングの場では、顧客が本当に求めているものを深く掘り下げることで、訴求力の高い商品・サービス設計が可能となります。

今後、購買行動や商品企画、広告戦略を考える際、本記事の内容がご参考になれば幸いです。

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