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従業員とは?従業員数の正しい定義とその数え方をわかりやすく解説

本記事ではこのようなお悩みを解決いたします
  • 「従業員」や「社員」の違いがよくわからず、混乱している
  • アルバイトや派遣社員を従業員数に入れるべきか悩んでいる
  • 従業員数の正しい数え方を知りたいが、情報が複雑で困っている

企業の経営や労務管理において欠かせない指標のひとつが「従業員数」です。しかし、ひとことで「従業員」と言っても、正社員・パート・アルバイト・派遣社員など多様な雇用形態が存在するため、誰をカウントすべきか迷う場面も少なくありません。また、法令や統計上の定義によっても「従業員数」の数え方が異なることがあり、正しく理解しておくことが重要です。

そこで本記事では、「従業員」とは何かという基本から、正しい従業員数の定義と具体的な数え方まで、わかりやすく解説します。

人事・労務担当者はもちろん、これから起業を目指す方や就労形態に関心のある方のご参考になれば幸いです。

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そもそも従業員とは誰を指す?基本の定義と法律的な意味合い

ビジネスの現場では日常的に使われる「従業員」という言葉ですが、法的にはどのように定義されているのでしょうか?

まずは、従業員の基本的な意味から、似た用語との違い、そして雇用形態ごとの扱いについて詳しく解説します。

従業員の定義:雇用契約の有無がポイント

「従業員」とは、企業や団体と雇用契約を結び、指揮命令のもとで業務を遂行する人のことを指します。

なお、労働基準法などの法令上では、一般的に「労働者」という表現が使われますが、実務的には「従業員」という言い回しが定着しています。

「従業員」の特徴
  • 雇用契約を結んでいることが前提
  • 使用者の指揮命令に従って労務を提供することが特徴
  • 給与(賃金)の支払いを受けている

つまり、業務委託契約や請負契約のように「雇用契約が存在しない」ケースでは、たとえ社内で業務をしていても「従業員」には該当しません。

従業員と「社員」「職員」「労働者」に違いはある?

会社や組織によっては「従業員」ではなく、「社員」「職員」「労働者」などが使われることがありますが、これらには微妙にニュアンスが異なる場合も見られます。

用語意味・使われ方
従業員雇用契約を結び、企業で働くすべての人
社員一般的には正社員を指すが、合同会社では出資者
職員公共機関や医療機関、学校などで使われる
労働者労働諸法令上の用語で、従業員とほぼ同義

たとえば、「社員数」と言った場合、それが「正社員のみ」を指すのか、「契約社員やパートも含む」のかは企業ごとに定義が異なるため、文脈に注意が必要です。

従業員に含まれる雇用形態は?:正社員/契約社員/パート・アルバイトなど

従業員という言葉には以下のような多様な雇用形態の人々が含まれます。

  • 正社員:無期雇用で、フルタイム勤務が基本
  • 契約社員:有期契約で雇用されるが、待遇は正社員に近い場合も
  • パート・アルバイト:短時間勤務であることが多く、賃金や福利厚生も異なる
  • 嘱託職員・再雇用社員:定年退職後などに再度契約を結んで働く人

このように、「従業員」は単一の枠では語れない多様性があると言えます。

従業員数を正確に把握するためには、それぞれの雇用形態がどのように分類されるかを理解しておくことが大切でしょう。

従業員に含まれない立場の人は?注意すべきケース

従業員数を正確に把握するためには、「誰が従業員に含まれるのか」だけでなく、「誰が含まれないのか」も正しく理解することが不可欠です。

ここでは、誤解しやすいケースや、法的な立場が特殊な人たちの扱いについて整理しておきましょう。

役員・取締役など:委任・請負契約の場合

まず明確に区別すべきなのが、会社の「役員」や「取締役」といった、重役ポジションの方です。

これらの役職者は、会社と雇用契約ではなく委任契約を結んでおり、法的には「使用者側」に位置づけられます。

  • 代表取締役、取締役、監査役などは原則として従業員ではない
  • 委任契約に基づき職務を遂行しており、労働基準法の適用対象外

また、「請負契約」により業務を受託している個人や法人(たとえば清掃業者やIT開発業者など)も、雇用契約がないため従業員には含まれません

一方で「執行役員」は、実質的に従業員と同様に雇用契約を締結している方になるため、従業員数にカウントが必要です。

派遣社員・出向社員:出向元と出向先の雇用関係

派遣社員や出向社員の扱いは、従業員数のカウントにおいて非常に注意が必要なケースです。

派遣社員・出向社員について
  • 派遣社員:派遣元(派遣会社)と雇用契約を結んでいるため、派遣先企業の従業員には含まれない
  • 出向社員:雇用契約の関係がどちらにあるのかによって異なる
    • 在籍出向:出向元との雇用関係が継続 → 出向元の従業員数に含まれる
    • 転籍出向:出向先と新たに雇用契約を結ぶ → 出向先の従業員にカウント

従業員数を報告・提出する場面(例:助成金申請や就業規則の提出)によって、どのタイミングで誰を含めるかが異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

業務委託やフリーランスの扱い

最近増加している業務委託契約のフリーランスも、基本的には「従業員」には該当しません。理由は明確で、企業と雇用契約を結ばず、業務単位で契約しているからです。

  • 業務委託(個人事業主):作業の成果に対して報酬を得る形式
    • 働く場所や時間を自分で決められることが多い
    • 指揮命令系統に属していない(=労働者性が認められない)

ただし、形式上は業務委託であっても、実態として企業の指示に従い、就業時間が決められているような場合は「偽装請負」と見なされる可能性があるため、注意しましょう。


従業員数を正しく把握するには、形式的な肩書きや所属先だけでなく、「雇用契約の有無」や「指揮命令関係の有無」といった実質的な労働関係を確認する視点が欠かせないでしょう。

従業員数とは?数え方のルールとポイント

従業員数は、企業が雇用する労働者の総数です。数え方は目的によって異なり、法律や手続き、会社紹介など、状況に合わせて適切な数値を算出する必要があります。

従業員数にアルバイト・パートは含まれるか

結論から言えば、アルバイトやパートも「従業員数」に含まれますが、その扱いはカウントする目的によって異なります。

アルバイト・パートも含める場合の例

  • 就業規則の提出義務(常時10人以上)には、日常的に勤務しているパート・アルバイトも含まれる

アルバイト・パートも含めない場合の例

  • 社会保険適用拡大の対象に関する「従業員数」のカウントは、厚生年金保険の被保険者数のことを指します。(=厚生年金の被保険者になっていない方は対象外)

従業員数を数える際、一律に「正社員でないから除外」とはなりません。法律や手続きごとに数える対象の「従業員」が変わる場合もありますので、注意しておきましょう。

従業員数に出向者・派遣社員を含めるかどうか

前述のとおり、出向や派遣といった特殊な就労形態も、従業員数の算定に影響を与える場合があります。

出向者派遣社員
在籍出向の場合:出向元の従業員数にカウント

転籍出向の場合:出向先の従業員数にカウント
原則として、派遣元(派遣会社)の従業員

派遣先企業が労務管理していても、雇用契約がないため除外

ただし、統計調査や社内報告用のデータなど、実際の労働力ベースで数える場合には、派遣社員も一時的に含めることがあります。目的に応じて使い分けることが重要です。

「単体」「連結」「常時使用労働者」とはどのような意味?

従業員数を数える上で、しばしば出てくるのが、「単体」「連結」「常時使用労働者」といった用語ではないでしょうか。これらは企業規模や各種制度の適用判断に関わるため、明確に区別しておく必要があります。

「単体」「連結」の従業員数とは?

まず、「単体」「連結」というのは、グループ会社・関連会社を持つ企業に関する表現で、次のような違いがあります。

単体従業員数連結従業員数
親会社や子会社を含めず、その会社(法人)単独の従業員数を指します。
企業の個別の状況を知る上で使われ、主に登記簿や税務上の書類で用いられます。
親会社とその子会社・関連会社を含めたグループ全体の従業員数を指します。
企業の全体像や事業規模を把握するために用いられ、上場企業などが決算発表で開示する際に使われることが多いです。

常時使用労働者とは?

「常時使用する労働者(常時使用労働者)」という用語は、主に労働基準法や社会保険制度といった「労務に関する取り扱い」によって出てくる言葉です。ただし、各法律や取り扱いごとに定義が微妙に異なるため注意しなければなりません。

法令・制度定義内容(含まれる要件)正社員以外の対象/例外
労働基準法・労働安全衛生法
(事業規模の判断)
通常の事業運営を行うために
雇用している労働者。
雇用形態にかかわらず含む
(正社員以外も)。
有期契約社員、パート・アルバイト、日雇いも含まれる。
ただし、繁忙期など一時的に雇用される者は含めない。
労働安全衛生法
(定期健康診断の対象)
以下すべてを満たすこと。
①契約期間の定めがない、または1年以上の雇用見込み、/更新により1年以上使用されていること
②1週間の労働時間が、その事業場の同種の業務に従事する通常の労働者の所定労働時間の 3/4以上(1/2以上も望ましい)
期間契約であっても
「1年以上見込み」かつ時間要件を満たせば対象。
逆に短期間・少ない時間の者は対象外。
社会保険
(健康保険・厚生年金保険)
雇用契約の有無は問わず、使用関係が「常用的」であること。
常用的とは次のいずれかを指す。
・フルタイム労働者(正社員等)
・短時間労働者(パート等)で、1週間所定労働時間と1か月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務をする通常の労働者の 3/4以上であること
日々雇い入れられる者、契約期間2か月以内の者等は除外。
名称が「パート」「アルバイト」でも要件を満たせば含む。
障害者雇用促進法1週間の所定労働時間が 20時間以上で、かつ1年を超えて雇用される見込み、
または1年以上雇用されている者。※20時間以上30時間未満は短時間労働者とされる。
短時間労働者も含まれるが、時間や期間等の要件がある。
名称や雇用形態だけで判断されるものではない。

このように、「従業員数」の定義は一様ではなく、目的・制度によって基準が変わります。何のためにカウントするのかを明確にし、それに応じた正しい数え方を採用することが求められるでしょう。

「従業員数」の定義は企業活動においてなぜ重要?

従業員数は、単なる“人数”の指標ではなく、企業の経営状態や社会的な責任を測るうえでも重要な意味を持ちます。ここでは、従業員数がさまざまな場面でどのように活用され、どのような影響を持つのかを具体的に見ていきましょう。

転職活動・求人情報での指標としての従業員数

求職者にとって「従業員数」は、企業の規模や雰囲気を判断するための重要な指標のひとつです。

  • 企業の規模感をつかむ手がかりになる(例:ベンチャーか大企業か)
  • 成長性や安定性を推し量る材料となる
  • 組織の階層や職場環境を想像しやすくなる(例:少数精鋭か、縦割り構造か)

たとえば、「従業員数10人未満」の会社であればフラットで柔軟な環境が想像されますし、「1,000人以上」であれば制度や福利厚生が整っている可能性が高いと考えている方も多いでしょう。

転職サイトや会社情報サイトでも、従業員数は必ずといってよいほど掲載され、チェックもすべき重要情報です。

法的義務との関係:従業員数によって対応が必須となる労働基準法・労働安全衛生法

従業員数は、各種法令における義務の発生条件にも直結します。以下のように、従業員数が一定数を超えることで、企業には追加の法的責任が発生します。

従業員数
(常時使用労働者)
義務/届出内容法令・根拠備考
0~9人男女別トイレの設置義務(緩和あり)事務所衛生基準規則常時10人以内なら
男女別でなくてもよい例外あり。
10人以上就業規則の作成・労働基準監督署への届出労働基準法第89条等 ・安全衛生推進者(衛生推進者)の選任(10人以上50人未満)労働安全衛生法等・安全推進者の配置
女性従業員が
30人以上
女性30人以上の事業所には休養室または休養所(”が床することのできる”もの)設置義務労働安全衛生法等の規定
50人以上衛生管理者の選任(専任)義務安全衛生法等・産業医の選任義務労働安全衛生法 (note(ノート)) ・定期健康診断結果報告書を監督署に提出
101人以上一般事業主行動計画の策定・届出義務次世代育成支援対策法等 ・女性活躍に関する情報公表義務
(常時雇用者101人以上)
法改正で公表義務強化 ・障害者雇用納付金の対象となることがある
301人以上更に女性活躍推進に関する項目の情報公表範囲拡大(男女の賃金の差異)女性活躍推進法等

このように、企業は従業員数に応じて、労働環境の整備や安全対策、法的な書類提出などの負担が増していく仕組みとなっています。逆に言えば、従業員数の正確な把握は法令およびコンプライアンスの遵守に向けた第一歩とも言えるでしょう。

経営判断や組織運営における従業員数の意味

経営戦略や人事戦略を立てる上でも、従業員数は極めて重要なデータです。

単に「人が多い・少ない」だけでなく、人的資源の配分生産性の分析組織の適正規模の判断など、さまざまな意思決定に活用されます。

  • 部門別・職種別に従業員数を把握することで、組織の偏りや過不足を可視化
  • 従業員1人あたりの売上や利益を見ることで、生産性の評価が可能
  • 採用計画や教育制度の設計にも直結

また、企業買収や合併、IPO準備などの場面でも、従業員数は重要な評価項目とされます。特に連結従業員数の増減は、企業グループ全体の事業規模を示す指標としても活用されることが多い傾向にあります。


このように、「従業員数」はただの統計データではなく、企業の信頼性・法令遵守・経営の健全性を映し出す“指標”とも言える数値です。正しく把握し、適切に活用することが、企業の持続的成長につながると言えるでしょう。

従業員数に関するよくある誤解と疑問をQ&A形式で解説

従業員数に関する情報は一見シンプルに見えますが、実際には誤解や混乱が多いテーマです。ここでは、よくある質問や誤認されがちなポイントについて、Q&A形式でわかりやすく解説します。

会社概要に「社員〇〇名」とあるのですが、正社員の人数という意味ですか?【社員=正社員?】

必ずしもそうとは限りません。

「社員」という言葉は、一般的には「正社員」を指すケースが多いものの、企業によっては契約社員や嘱託職員も含めて「社員」と表記している場合があります。

さらに、会社法上の「社員」は株式会社の出資者(株主)を意味するため、法律文書では別の意味を持つこともあります。

ハローワークの求人の場合には「従業員数:◯◯名」「うちパート:◯◯名」のように、全従業員数と正社員・パートの比率が分かるように内訳記載がされていますが、会社が公開しているWEBサイトにおいては「社員数」「従業員数」「正社員数」などの用語の違いに注意が必要です。

フリーランスや業務委託の人が、従業員としてカウントされることはありますか?【業務委託と雇用契約の違いは?】

業務委託や請負のような契約をしている場合、その方々は基本的には「従業員」には含まれません。

業務委託契約や請負契約で働いている人は、企業との間に雇用契約が存在しないため、法的には従業員として扱われません。従業員の定義においては、以下のポイントが判断基準となります。

  • 使用者の指揮命令に従って働いているか
  • 業務の成果物ではなく、労務の提供に対して報酬が支払われているか
  • 勤務時間・場所の拘束があるか

これらを満たすと、形式上は業務委託でも実態としては「雇用」と判断される可能性があります(いわゆる「偽装請負」)。企業にとっては、従業員として扱うか否かの線引きを慎重に行う必要があります。

会社のホームページと有価証券報告書で、従業員数の記載が違うのはなぜでしょう?

従業員数の算出基準が異なるためです。

従業員数は、以下のような基準によってカウント方法が異なります。

情報源主な基準・特徴
ホームページ見栄えや印象を意識して記載されることが多く、
派遣社員や業務委託を含む場合も考えられる。
有価証券報告書金融商品取引法に基づき、「連結」または「単体」従業員数を明記。
対象は雇用契約のある者だが、臨時従業員(パートタイマー等)については年間の平均人員を外数で記載している場合がある。
統計調査
(労働力調査など)
労働時間や雇用期間などの基準に基づき分類される
ハローワーク提出書類「常時使用する労働者」が対象。
パートやアルバイトも含まれる場合あり

このように、同じ会社でも資料によって従業員数が異なるのは珍しくなく、誤りではありません。情報を読み取る際には、どの基準でカウントされた数字なのかを確認することが大切です。

まとめ:従業員の定義と数え方を正しく理解しよう

従業員とは、企業と雇用契約を結び、業務に従事している人の総称であり、その定義には法的・実務的な背景があります。正社員だけでなく、契約社員、パート・アルバイト、出向者など多様な雇用形態が対象となる一方で、役員や業務委託契約者は原則として含まれません。

また、従業員数のカウントには明確なルールがあり、目的(法令遵守、経営判断、統計提出など)によって対象や基準が異なります。

従業員数は、企業の信用、雇用義務、経営管理において極めて重要な要素でもあります。目的に応じた定義と数え方を理解し、企業の健全な運営と社会的信頼の構築に向けて、適切に対応しましょう。

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