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「乃至」とは?読み方・意味・使い方を具体例をもとに解説【ないし】

本記事ではこのようなお悩みを解決いたします
  • 「乃至」の意味がいまいちピンとこない
  • 読み方や使い分けに自信が持てない
  • ビジネス文書や契約書での使い方がわからない

ビジネス文書や法律文、さらには公的な書類などで見かけることのある「乃至(ないし)」という言葉。普段の会話ではあまり使われないため、「どういう意味?」「正しい使い方は?」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「乃至」の正しい読み方や意味、使い方の具体例を交えて詳しく解説します。ビジネスシーンにおいて文章力を高めたい方や、フォーマルな文書を扱う機会の多い方にとって、ぜひ知っておきたい表現ですので、ご参考になれば幸いです。

このページの概要

「乃至」の読み方とは?

ビジネスシーンや法律関連の文書で見かける「乃至」という言葉。まずはその正確な読み方を確認し、なぜこの言葉が読みにくいと感じられるのかを解説していきます。

漢字「乃至」の読み方は?

「乃至」は、漢字で「ないし」と読みます。

「乃(ない)」と「至(し)」という漢字の組み合わせで構成されており、それぞれの漢字の意味からも言葉のニュアンスが読み取れます。

  • 「乃」:「すなわち」という意味を持つ接続詞的な漢字
  • 「至」:「至る」「到達する」など、目的地や範囲を示す意味

これらを組み合わせた「乃至」は「ある範囲の始まりから終わりまで」または「または」「もしくは」という意味を持ち、文脈によって使い分けられます。

読み方がわかりにくい理由

「乃至」が読みにくいと感じる理由はいくつかあります。

  • 日常で使われる頻度が低い:口語ではほとんど使われないため、なじみがない
  • 漢字の形が古風:「乃」などは現代文であまり見かけないため、読みにくく感じる
  • 意味のバリエーションが多い:「〜から〜まで」や「または」など、文脈によって異なる意味になる

こうした理由から、「乃至(ないし)」は読みづらく、意味を取り違えやすい言葉のひとつと言えるでしょう。

乃至(ないし)の意味とは?

「乃至(ないし)」は、主に文章語として使われるかたい表現で、現代では日常会話よりも契約書・法律文・規約などで目にすることが多い言葉です。読み方は「ないし」。

意味は大きく分けて2種類あり、「範囲」を示す場合「選択・並列」を示す場合があります。文脈によって意味が変わるため、正しく理解して使い分けることが重要です。

範囲を表す(「から…まで」)

この使い方は、「AからBまで」という起点と終点を示す意味です。

例えば時間や数量、年齢などの範囲を表すときに使われます。日常では「〜から〜まで」と言い換えたほうが自然ですが、契約書や案内文など格式ある文章では「乃至」が使われることがあります。

範囲を表す(「から…まで」)の例文

  • 営業時間は午前9時乃至(ないし)午後5時までとする。
     → 午前9時から午後5時まで
  • 対象は18歳乃至(ないし)30歳の男女。
     → 18歳から30歳まで

「から〜まで」に置き換えられるため意味はわかりやすいですが、法律や規約などではこの表現が多用されます。特に数字・日付・時間のように、明確な範囲を指定する場面で使われるのが特徴です。

選択・並列を表す(「または」「もしくは」)

もう一つの意味は、複数の選択肢や項目のうちどちらか一方(または両方)を指す場合です。

この場合、「乃至」は「または」や「もしくは」と同じように使えます。特に契約や申請の条件などで「A乃至B」という形で表記されます。

範囲を表す(「から…まで」)の例文

  • 申請は郵送乃至(ないし)持参のいずれかの方法で行うこと。
     → 郵送または持参
  • 遅刻乃至(ないし)欠席の場合は前日までにご連絡ください。
     → 遅刻または欠席

「または」や「もしくは」と同様の意味で使えますが、並列する対象は多くの場合、同じ性質やカテゴリーに属しています。特に契約書や規約では、選択条件を明確に示すためにこの表現が好まれます。

乃至(ないし)の意味の使い分け方と注意点

「乃至(ないし)」には「または」「〜から〜まで」という2つの意味があるため、文脈に応じて正しく解釈する必要があります。ここでは、意味を見分けるポイントと使用場面の違いについて解説します。

文脈から判断するポイント

「乃至(ないし)」は、一つの言葉で「範囲」と「選択」という2つの異なる意味を持っているため、解釈を間違えると誤読や誤解につながります。判断のカギは、文脈と前後の語句の関係にあります。

数値や日付、時間など、起点と終点が明確に並べられている場合は「〜から〜まで」という範囲の意味になります。

一方で、並列されているのが方法や条件、状態などの場合は、「または」「もしくは」のような選択を示している可能性が高くなります。

例えば「9時乃至17時」と書かれていれば時間の範囲ですが、「郵送乃至持参」とあれば選択肢です。このように、後ろに続く語句の種類に着目すると正しい意味を判断しやすくなります。

前後の文章に「いずれか」「すべて」などのキーワードが含まれていると、判断しやすくなります。

使われる場面の違いと注意点

「乃至」は日常会話ではほとんど使われず、主に法律文書、契約書、規約、案内文などのかたい文章で用いられます。

範囲を示す場合は期間や数値条件を正確に指定するため、選択を示す場合は複数の方法や条件を明確に列挙するために使われますが、注意すべき点は、日常のメールや口頭で多用すると不自然な印象を与えることです。

また、契約書などの実務では、誤解を避けるために「〜から〜まで」や「または」に置き換えて表現することもあります。特に範囲と選択のどちらの意味なのかが紛らわしい文章では、読み手に誤解を与えない表記にすることが重要です。

「乃至」は主にビジネス文書、法律文、契約書、マニュアルなど、フォーマルで論理的な正確さが求められる文脈で使われます。日常会話やカジュアルなメールでは、代わりに「または」「あるいは」「から〜まで」などの言い換えが適しています。

乃至(ないし)を用いるシーン・具体的な文例

「乃至(ないし)」は、使い方を間違えると文意を誤解される恐れがあるため、正しい事例を通じて理解しておくことが大切です。ここでは日常的なシーンから法律文書まで、さまざまな文脈での使い方をご紹介します。

ビジネスシーンでは「乃至」のように漢字表記すると読みにくさ・伝わりにくさもあるため「ないし」と平仮名表記されるケースも多いです。その観点から「乃至」「ないし」双方での文例を下記紹介いたします。

時間や期間など範囲を示す文例

「乃至」が最も使われやすいのは、時間・日付・年齢などの明確な範囲を指定する文章です。

法律文書や規約では、期間の起点と終点を正確に表すために「乃至」を用います。日常表現では「〜から〜まで」に置き換えられますが、文面を引き締めたい場合にはあえて使うこともあります。

時間や期間など範囲を示す文例

  • 営業時間は午前9時乃至午後5時までとする。
  • 令和5年4月1日乃至令和5年9月30日の期間に限り有効。
  • 対象年齢は18歳乃至30歳とする。

条件や方法など選択を示す文例

複数の選択肢の中からいずれかを選ぶ場合にも「乃至」が使われます。この用法は「または」「もしくは」と同じ意味ですが、契約や案内文などでは文章全体の統一感や格調を保つために「乃至」が好まれることがあります。

時間や期間など範囲を示す文例

  • 申請は郵送ないし持参のいずれかの方法で行うこと。
  • 遅刻ないし欠席の場合は、前日までにご連絡ください。
  • 修理は無償対応ないし代替品の提供にて行います。

法律・契約書での使用例

法律や契約書の文章では、「乃至」が高頻度で登場します。特に、条文や規定文においては、範囲と選択のいずれの意味でも使われるため、文脈を読み間違えると解釈ミスにつながる点に注意が必要です。

時間や期間など範囲を示す文例

  • 第5条 賃料は毎月末日までに、銀行振込乃至現金持参により支払うものとする。
  • 第10条 本契約の有効期間は、令和6年4月1日乃至令和7年3月31日とする。

案内文・通知文での使用例

お知らせや通知など、ややフォーマルな案内文でも「乃至」が使われることがあります。対象期間や選択肢を簡潔に提示する場面で有効です。

時間や期間など範囲を示す文例

  • 本サービスは令和6年1月1日ないし令和6年12月31日までご利用いただけます。
  • 予約は電話ないしメールにて受け付けております。

乃至(ないし)に関するよくある誤解や注意点

「乃至(ないし)」は意味の幅があるため、使い方を誤るだけでなく、読み手が誤解してしまうケースも少なくありません。ここでは代表的な誤解とその対策について紹介します。

「1ないし5」を「1と5だけ」と誤解するケース

「乃至」が選択・並列を表す意味ではなく範囲を示す場合、「1ないし5」は「1から5までのすべて」を含みます。しかし、これを「1と5だけ」と解釈してしまうケースがあります。

特に数字の列挙に慣れていない人や、日常会話的に受け取ってしまう人もおられるでしょう。

例えば「対象は1ないし5等級の社員」という場合、1等級と5等級だけでなく、2・3・4等級も含まれる可能性もあります。この誤解は契約や試験要項など、条件設定が厳密に定められる場面で大きなトラブルに発展する可能性があるため、文章を作成する側も読み手に誤解が生じない表現を心がける必要があります。

法律用語としての注意点(「から…まで」の意味で使われる)

法律文書や契約書では、「乃至」は多くの場合「から…まで」の意味で使われます。特に条文や規定では、期間や数値条件を明確に限定するためにこの表現が用いられます。

注意すべき点は、同じ文書内で「乃至」が「または」の意味でも使われる場合があることです。このため、解釈時には必ず前後の文脈や対象の種類を確認することが重要です。範囲指定なら日付や数値が並び、選択なら方法や条件が並びます。

法務や総務の現場では、読み手が誤解しないよう(トラブルにならないよう)別の表現に言い換えることが増えております。

乃至(ないし)の類語・言い換え表現

「乃至(ないし)」はフォーマルでやや硬い表現ですが、日常的な文書や口語表現では、より柔らかい言い換えが適している場合もあります。ここでは、類語との違いと適切な言い換え表現を整理して解説します。

「または」「あるいは」「もしくは」との違い

「乃至」を「または」「あるいは」「もしくは」に置き換えることは可能ですが、厳密にはニュアンスや使われる文脈が異なります。

表現主な意味用途・ニュアンス使用シーンの例
乃至(ないし)「から…まで」(範囲)
「または」(選択)
法律文書・契約書・案内文などで使われる硬い表現営業時間は9時乃至17時までとする。申請は郵送乃至持参で行うこと。
または選択肢を提示する(AまたはB)最も一般的で日常会話からビジネスまで幅広く使用郵送または持参のいずれか。
あるいは「または」とほぼ同義だがやや柔らかい印象会話・文章どちらでも使いやすい電話、あるいはメールでご連絡ください。
もしくは「または」と同義だがやや格式ばった印象ビジネス文書や説明文で好まれる振込、もしくは現金でお支払いください。

表からも分かるように、「または」「あるいは」「もしくは」はいずれも選択肢を提示する接続詞ですが、文章の硬さや印象に差があります。

もっとも一般的で幅広く使えるのは「または」で、契約書・規約・案内文などでも安定して使われます。「あるいは」は日常的な文章にもなじみやすく、柔らかい響きが特徴です。一方、「もしくは」はやや格式が高く、ビジネスや公的な文章で好まれる傾向があります。

乃至(ないし)はどのように言い換える?表現を一覧で紹介

状況に応じて、以下のような言葉に言い換えることが可能です。

言い換え表現意味の種類乃至(ないし)との置き換え可否使用例
〜から〜まで範囲可(範囲の意味で)営業時間は9時から17時まで。
または選択可(選択の意味で)郵送または持参のいずれか。
あるいは選択可(選択の意味で)メール、あるいはFAXでお送りください。
もしくは選択可(選択の意味で)カード、もしくは現金でお支払いください。
〜以内/〜以上範囲条件により可対象は30歳以内の方。

この一覧から分かるように、「乃至(ないし)」は範囲の意味であれば「〜から〜まで」に、選択の意味であれば「または」「あるいは」「もしくは」に置き換えられます。文章のトーンや用途に合わせて選択すると、読み手にとって理解しやすく、かつ誤解を防げます。

また、「〜以内」「〜以上」などの条件表現も、場合によっては範囲を示す「乃至」の代わりに使えますが、こちらは厳密な条件指定になるため、契約や規約など解釈の相違が許されない文書では特に慎重に選ぶ必要があります。文章の目的と対象を踏まえて、適切な言い換えを選択しましょう。

まとめ:乃至(ないし)を正しく理解して使い分けよう

「乃至(ないし)」は、日常ではあまり使われないものの、ビジネスや法律文書では頻出する重要な語句です。主に「または」「〜から〜まで」という2つの意味を持ち、文脈によって正しく使い分けることが求められます。

  • 「乃至」の正しい読み方は「ないし」
  • 意味は「選択(または)」と「範囲(〜から〜まで)」の2通り
  • 誤解されやすい表現であるため、文脈に応じた使い方が重要
  • 類語には「または」「あるいは」「もしくは」などがあるが、使い分けが必要

適切に「乃至」を使いこなすことで、より正確で洗練された文章表現が可能になります。公的文書や契約書などを扱う場面では特に、意味を正しく理解しておくことが大切です。

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