1月の時候の挨拶|新年・寒中見舞いに使える表現を上旬・中旬・下旬別に紹介

1月は、新しい年の始まりという特別感と、冬の寒さが本格化する季節感が同時に存在する時期です。そのため、時候の挨拶や季節の挨拶も、ほかの月以上に「いつ使うか」「誰に向けた文章か」が問われます。たとえば、上旬であれば新年を祝う表現が自然でも、中旬・下旬になると違和感が生じることも少なくありません。
手紙やビジネス文書、メールを書く際に、「この表現は今の時期に合っているのだろうか」「相手に失礼にならないだろうか」と迷った経験がある方も多いのではないでしょうか。1月の挨拶は定型文が多い分、使い分けを誤ると文章全体の印象を左右してしまいます。
今回の記事では、1月の時候の挨拶を上旬・中旬・下旬に分け、それぞれの時期にふさわしい季節の挨拶例と使い分けの考え方を整理して紹介いたします。形式にとらわれすぎず、相手に配慮した自然な挨拶文を書きたい方に向けて、実用的なポイントもお伝えしますので、参考になれば幸いです。
1月の時候の挨拶とは?~新年と寒さを織り交ぜた季節のことば~
1月は、一年の始まりを祝う新春の時期でありながら、一年のうちでもっとも寒さが厳しい季節でもあります。
そのため、1月の時候の挨拶では「新年を迎える喜び」と「冬の厳しさを思いやる気持ち」をうまく織り交ぜることが大切です。
年始のご挨拶、ビジネス文書、寒中見舞いなど、目的に合わせた言葉選びを意識することで、心のこもった文章になります。
1月の季節的特徴:新春から本格的な寒中へ、移りゆく季節を伝える時候の挨拶とは
1月は、暦の上での「新しい春(新春・初春)」という華やかな喜びから始まり、次第に一年で最も寒さが厳しい「寒中・大寒」へと移り変わる月です。
このような1月の時候の挨拶では、「新春のお祝い」と「寒中の厳しさ」の両方を意識した言葉選びがポイントです。上旬は新しい年や松の内をモチーフに、「新春の候」「初春の候」などおめでたい表現を、中旬から下旬にかけては、寒さが一年で最も厳しくなる季節感を込めて「寒中の候」「厳寒の候」「大寒の候」といった語を使うと自然です。
1月の時候の挨拶の選び方のポイント
- 1月上旬:新春の喜びと清々しさを伝える
- 1月上旬は、新しい年を迎え、清々しく晴れやかな空気に包まれる時期です。松の内(一般的に7日まで)の間は、新年の祝辞を中心に、「初春の華やかさ」と「一年の始まり」を表現するのがポイントです。
- 漢語調では:「新春の候」「初春の候」「頌春(しょうしゅん)の折」「松の内の候」などが自然。
- 口語調では:「新年あけましておめでとうございます」「清々しい初春をお迎えのこととお慶び申し上げます」などがおすすめ。
- ビジネスでは: 「新春の候」「初春の候」で改まった印象に、私信では「松の内」「仕事始め」といった言葉を取り入れて、新しい一年の抱負や喜びを伝えてはいかがでしょうか。
- 1月上旬は、新しい年を迎え、清々しく晴れやかな空気に包まれる時期です。松の内(一般的に7日まで)の間は、新年の祝辞を中心に、「初春の華やかさ」と「一年の始まり」を表現するのがポイントです。
- 1月中旬:寒中への入りと日常への戻りを意識
- 1月中旬は、正月飾りが外れて日常が戻り、寒さが本格化してくる時期です。暦の上では「小寒(1月5日頃)」を過ぎ、「寒の内」の真っ只中にあります。この時期の挨拶では、「寒中のお見舞い」と「寒さへの気遣い」を感じさせる言葉選びが大切です。
- 漢語調では:「寒中の候」「小寒の候」「厳寒の折」「隆冬(りゅうとう)の候」などが適しています。
- 口語調では:「寒中お見舞い申し上げます」「正月気分も抜け、寒さが本格的になってまいりました」など、季節の深まりを柔らかく表現すると効果的です。
- 寒さが一段と厳しくなり、風邪などが流行る時期なので、「時節柄、どうぞご自愛ください」「お風邪など召されませんよう」といった気遣いの一文を添えると非常に喜ばれます。
- 1月中旬は、正月飾りが外れて日常が戻り、寒さが本格化してくる時期です。暦の上では「小寒(1月5日頃)」を過ぎ、「寒の内」の真っ只中にあります。この時期の挨拶では、「寒中のお見舞い」と「寒さへの気遣い」を感じさせる言葉選びが大切です。
- 1月下旬:大寒の厳しさと春の兆しを表す
- 1月下旬は、一年で最も寒さが極まる「大寒(1月20日頃)」を迎える時期です。凍てつくような寒さが続く一方で、暦の上での春(立春)が近づくため、「極寒の厳しさ」の中に「かすかな春の気配」を感じさせる表現が向いています。
- 漢語調では: 「大寒の候」「晩冬の候」「酷寒(こっかん)の候」「春近しの候」などを使うと上品。
- 口語調では:「一年で最も寒い時期を迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか」「暦の上では春近しとはいえ、厳しい寒さが続いております」などが自然です。
- ビジネスシーンでは「大寒の候」「晩冬の候」で季節感と格式を両立し、私信やメールでは「窓際の日差しに春の兆しを感じるこの頃」「お健やかにお過ごしでしょうか」といった温かみのある言葉が好印象です。
- 1月下旬は、一年で最も寒さが極まる「大寒(1月20日頃)」を迎える時期です。凍てつくような寒さが続く一方で、暦の上での春(立春)が近づくため、「極寒の厳しさ」の中に「かすかな春の気配」を感じさせる表現が向いています。

二十四節気「小寒」「大寒」を意識した表現選定
1月には「小寒(しょうかん)」「大寒(だいかん)」という二十四節気が含まれます。これらを意識すると、より自然で季節感のある挨拶文を作ることができます。
小寒(1月5日頃)
- 「寒の入り」とも呼ばれ、寒さが最も厳しくなる時期の始まりを意味します。
- この頃は「小寒の候」「寒冷の候」「寒気の候」といった表現がぴったりです。
大寒(1月20日頃)
- 一年のうちで最も寒い時期。
- 凛とした冬の空気を感じさせる「大寒の候」「厳寒の候」「寒中の候」などが適しています。
これらの季語を用いることで、暦に沿った丁寧で洗練された印象の挨拶文に仕上がります。
漢語調と口語調、それぞれの使いやすさと注意点
1月の挨拶では、文章の目的に応じて「漢語調」と「口語調」を使い分けることがポイントです。特に1月は、松の内(1月7日頃まで)を過ぎたかどうかで言葉選びが大きく変わります。
| 項目 | 漢語調 | 口語調 |
|---|---|---|
| 特徴・メリット | ・格式が高く、文章に品格を与える ・ビジネスや公式文書にふさわしい ・季節感を簡潔に伝えられる | ・自然で親しみやすい ・柔らかい印象を与える ・相手への思いやりを表しやすい |
| 適した場面 | ・ビジネス文書 ・公式な挨拶状や案内状 ・礼儀を重んじる場面 | ・親しい取引先とのメール ・友人や家族宛ての手紙 ・カジュアルなやり取り |
| 1月の使用例 | 「新春の候」 「小寒の候」 「大寒の候」 「厳寒の候」 | 「清々しい初春をお迎えのことと存じます」 「寒中お見舞い申し上げます」 「暦の上では春近しとはいえ、厳しい寒さが続きます」 |
1月の挨拶選びで最も大切なのは、「松の内(1月7日頃)」を境に祝賀から寒中お見舞いへと切り替えることです。
上旬は「新春」などの慶事の言葉を用いますが、8日以降は「寒中」として相手の健康を気遣う一言を添えるのがマナーです。下旬(大寒の頃)には、「大寒の候」といった厳しい寒さの表現に加え、「春近し」といった季節の先取りや希望を感じさせる言葉を混ぜると、より情緒豊かで上品な印象に仕上がります。
1月上旬に使える時候の挨拶
1月上旬は、新しい年を迎えて清々しい気持ちに包まれる時期です。
年始のご挨拶や年賀状、ビジネスメールなどで使う時候の挨拶には、「新春」や「初春」といった華やかでおめでたい言葉がぴったり。一方で、寒さが厳しくなる頃でもあるため、新年の祝意とともに相手を気遣う表現を添えると、より温かみのある印象になります。
「1月上旬 時候の挨拶」「初春の候 意味」といった検索でも人気の高い、年始らしい言葉選びを意識しましょう。
漢語調:新春の候、初春の候、七草の候(使用目安:1月1日~7日頃)
1月上旬は、新しい年を迎え、清々しく晴れやかな空気に包まれる季節です。
一年の始まりを祝う慶びとともに、暦の上では「寒の入り(小寒)」を迎え、冬の寒さが本格的に厳しさを増していく時期でもあります。この頃の時候の挨拶では、新年の祝辞と冬本番への移り変わりを格調高く表現できる漢語調の言葉が好まれます。
「新春の候」や「初春の折」は、松の内(一般的に1月7日まで)にふさわしい華やかで落ち着いた表現であり、ビジネスでの年頭の挨拶にも最適です。 また、「松の内の候」は正月期間ならではの季語として季節感を伝えやすく、「小寒の候」は寒さが強まり始める1月5日頃(小寒)から幅広く使える便利な表現です。
以下の表では、これらの漢語調の言葉の使い方や例文をまとめていますのでご参考ください。
| 表現 | 読み方 | 意味・ニュアンス | 使用目安 | 使用例 |
| 新春の候 | しんしゅんのこう | 新しい年を迎え、春が始まったことを祝う。最も一般的で使いやすい言葉。 | 1月上旬(松の内まで) | 新春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 |
| 初春の折 | しょしゅんのおり | 暦の上の春(正月)の訪れを表す。清々しく、晴れやかな響きを持つ。 | 1月上旬(松の内まで) | 初春の折、皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。 |
| 松の内の候 | まつのうちのこう | 正月の門松を立てておく期間(一般に7日まで)を指す、この時期限定の表現。 | 1月1日~1月7日頃 | 松の内の候、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 |
| 小寒の候 | しょうかんのこう | 二十四節気の「小寒(寒の入り)」を迎え、寒さが本格化する時期を指す。 | 1月5日頃~1月中旬 | 小寒の候、皆様にはますますご健勝のことと存じます。 |
口語調:清々しい初春をお迎えのことと存じます/松の内も過ぎ、日常が戻ってまいりました/寒の入りを迎え、寒さも本格的になってまいりました
1月上旬は、新年の清々しい空気の中にも、冬本番の厳しい寒さが感じられる季節です。
この時期の口語調の挨拶では、新しい年を迎えた喜びや松の内の情景を交えながら、相手の健勝を願う自然な表現が適しています。 ビジネスシーンでは礼儀正しい言い回しを、私信では温かみのある柔らかな言葉を選ぶと、新年のご挨拶としてより印象が良くなります。
| 表現 | 意味・ニュアンス | 使用目安 | 使用例 |
| 清々しい初春をお迎えのことと存じます | 新年の喜びを穏やかに伝える定番の表現。ビジネスでも私信でも使いやすい。 | 1月上旬(松の内まで) | 清々しい初春をお迎えのことと存じます。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 |
| 松の内も過ぎ、日常が戻ってまいりました | 正月休みが終わり、落ち着きを取り戻した様子を伝える言葉。 | 1月8日~中旬 | 松の内も過ぎ、ようやく日常が戻ってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。 |
| 寒の入りを迎え、寒さも本格的になってまいりました | 1月5日頃の「小寒」を過ぎ、冬本番の寒さを共有する挨拶。 | 1月5日頃~中旬 | 寒の入りを迎え、寒さも本格的になってまいりましたね。風邪など召されていませんか。 |
これらの口語調の表現は、堅苦しすぎず親しみやすい印象を与えるのが特徴です。
「清々しい初春をお迎えのことと存じます」は、松の内にかけて広く使える定番の挨拶で、年始のメールや便りにもぴったりです。 「松の内も過ぎ、日常が戻ってまいりました」は、正月飾りが外れた頃ならではの情緒を感じさせる一文で、仕事始めのご挨拶や近況報告の前置きとしても自然です。
また、「寒の入りを迎え、寒さも本格的になってまいりました」は、冬の厳しさを丁寧に伝えたいときに最適で、相手を労わる気持ちが伝わりやすくなります。 口語調の挨拶では、こうした自然な語り口で季節を描き、相手への思いやりを一文に込めることが大切です。
1月上旬に使える時候の挨拶の選び方
1月上旬は、「お祝い」と「気遣い」の両方をバランスよく取り入れるのがポイントです。
「新春の候」「初春の候」は、最も格式が高く汎用性のある言葉で、年賀状・ビジネス挨拶・社内通知など幅広い場面に適用できます。
「七草の候」は少し季節感を出したいときにおすすめの表現で、温かみのある年始挨拶に最適です。
一方、口語調では「寒さ」や「健康」をテーマにすると自然でしょう。
特に「寒さ厳しい折となりましたが…」のようなフレーズは、ビジネスメールでも手紙でも使いやすい万能表現です。
新しい年の始まりにふさわしい、明るく穏やかなトーンでまとめましょう。
1月中旬に使える時候の挨拶
1月中旬は、1年でもっとも寒さが厳しくなる「寒の内(かんのうち)」の時期。空気は澄み渡り、凛とした冬の静けさを感じる頃です。
この時期の時候の挨拶では、寒さの厳しさを表現しつつ、相手の健康を気遣う一文を添えるのがポイントです。
漢語調:寒中の候、小寒の候、厳寒の折、隆冬の候【時期目安:1月中旬】
1月中旬は、正月飾りが外れて日常が戻り、朝晩の冷え込みが一段と厳しくなる季節です。
暦の上では「寒の内(小寒から立春の前日まで)」にあたり、一年で最も寒い時期へと向かうこの頃は、冬の深まりと静謐な空気感を感じさせる表現がふさわしいでしょう。
ビジネスシーンでは格式のある「寒中の候」や「厳寒の折」がよく使われ、私信では「小寒の候」や「隆冬の候」など、季節の節目や冬の盛りを感じさせる語もおすすめです。以下では、1月中旬の季節に適した漢語調の挨拶表現を紹介します。
| 表現 | 読み方 | 意味・ニュアンス | 使用目安 | 使用例 |
| 寒中の候 | かんちゅうのこう | 「寒の内」の期間を指す。冬の厳しさを穏やかに表すフォーマルな挨拶。 | 1月中旬~2月初旬 | 寒中の候、皆様お健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。 |
| 小寒の候 | しょうかんのこう | 二十四節気の「小寒」の時期。寒さが本格化する頃を指す。 | 1月5日頃~1月19日頃 | 小寒の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。 |
| 厳寒の折 | げんかんのおり | 寒さが非常に厳しい時期を表す。冬本番の緊張感を感じさせる表現。 | 1月中旬~下旬 | 厳寒の折、貴社ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。 |
| 隆冬の候 | りゅうとうのこう | 冬が最も盛んな時期(冬真っ盛り)を表現。力強くも静かな印象。 | 1月中旬 | 隆冬の候、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。 |
「寒中の候」や「小寒の候」は、松の内を過ぎたあとの冬の挨拶として定番で、ビジネス文書や寒中見舞いの前文としても非常に使いやすい表現です。
「厳寒の折」は“寒さが厳しい頃”という意味を持ち、1月中旬から下旬にかけて幅広く使用できます。季節の厳しさを共有する言葉として、企業間の往復書簡などに最適です。また、「隆冬の候」は冬の深まりを格式高く伝える言葉で、個人宛ての手紙にもよく合います。
この時期の漢語調表現では、凛とした季節感を大切にしながら、寒さへの配慮や体調への気遣いを添えると、より丁寧で印象的な挨拶文に仕上がります。
口語調:寒中お見舞い申し上げます/正月気分も抜け、寒さが本格的になってまいりました/鏡開きも過ぎ、冬の厳しさが身にしみる頃となりました
1月中旬は、正月飾りが外れて日常が戻り、寒さが一段と厳しくなる「寒の内」の時期です。
松の内を過ぎると、新年の華やかさから一転し、凛とした空気の中に冬本番の寒さが漂い始めます。 この時期の口語調の挨拶では、季節の厳しさを共有しながら、相手の健康や日々の平穏を気遣う「寒中見舞い」の精神を込めた表現が好まれます。
ビジネスでは丁寧で落ち着いた言葉を、私信では親しみやすさと温かみを添えた語り口を選ぶと自然ではないでしょうか。
| 表現 | 意味・ニュアンス | 使用目安 | 使用例 |
| 寒中お見舞い申し上げます | 松の内を過ぎた後の、最も標準的で丁寧な季節の挨拶。 | 1月8日〜2月初旬 | 寒中お見舞い申し上げます。厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 |
| 正月気分も抜け、寒さが本格的になってまいりました | 日常に戻った様子と、冬本番の訪れを自然に伝える表現。 | 1月中旬 | 正月気分も抜け、寒さが本格的になってまいりました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 |
| 鏡開きも過ぎ、冬の厳しさが身にしみる頃となりました | 1月11日の行事を節目に、冬の深まりを情緒的に表す言葉。 | 1月11日〜中旬 | 鏡開きも過ぎ、冬の厳しさが身にしみる頃となりました。お風邪など召されていませんか。 |
「寒中お見舞い申し上げます」は、松の内(1月7日)を過ぎてから立春(2月4日頃)の前日まで使える万能な挨拶で、手紙やメールの冒頭に最適です。
次の「正月気分も抜け、寒さが本格的になってまいりました」は、仕事始めから数日が経ち、再び気が引き締まる時期に品よく伝える文面で、ビジネスでも私信でも幅広く使えます。また、最後に紹介している「鏡開きも過ぎ、冬の厳しさが身にしみる頃となりました」は、季節の行事を織り交ぜた温かみのある表現で、相手を気遣う挨拶文や寒中見舞いに自然に馴染みます。
これらの口語調の挨拶は、堅苦しくなりすぎず、読み手に親愛の情と季節の共感を届けることができます。特に1月中旬は、新しい年への希望と一年で最も過酷な寒さが交錯する季節です。その厳しさを労い、相手を温かく思いやる一文を添えることが、印象的な挨拶文づくりのポイントではないでしょうか。
1月中旬に使える時候の挨拶の選び方
1月中旬は、季節が新春の華やぎから、本格的な「寒中(かんちゅう)」へと変わる節目の時期です。そのため、時候の挨拶では「新年の落ち着き」と「冬本番の厳しさ」の両方を感じさせる言葉を選ぶと、自然で品のある印象になります。
「寒中の候」や「小寒の候」は、松の内を過ぎた冬の時期を静かに表現する上品な言葉で、フォーマルな手紙やビジネス文書、寒中見舞いに最適です。「厳寒の折」は、冬の深まりを伝えるご挨拶として1月後半まで使える便利な表現です。
一方、口語調では「寒中」「鏡開き」「冬の厳しさ」といった具体的な行事や情景を取り入れると、親しみやすく温かみのある文面になります。一年のうちで最も寒さが募る時期だからこそ、季節の移ろいを穏やかに描き、相手を労わる言葉を添えることで、読む人の心に残る挨拶文に仕上がるでしょう。
1月下旬に使える時候の挨拶
1月下旬は、一年で最も寒さが厳しい時期。暦の上では「大寒(だいかん)」を迎え、空気が凛と張りつめるような冷たさが続きます。
この時期の時候の挨拶では、寒さを象徴する言葉を使いながらも、相手の健康や無事を思いやる表現を添えることが大切です。
漢語調:大寒の候、晩冬の候、酷寒の候、積雪の候、春近しの候【時期目安:1月下旬】
1月下旬は、暦の上で「大寒(だいかん)」を迎える頃。一年で最も寒さが厳しくなり、各地で氷が張り、積雪も見られる時期です。冬が極まり、静寂の中に春の訪れを待ちわびるこの季節には、厳冬の重みと季節の節目を上品に伝える漢語調の表現がふさわしいでしょう。
ビジネス文書では「大寒の候」「晩冬の候」などの定番が適しており、季節の深まりを意識した挨拶文に仕上がります。以下では、1月下旬に使いやすい漢語調の表現を一覧でご紹介します。
| 表現 | 読み方 | 意味・ニュアンス | 使用目安 | 使用例 |
| 大寒の候 | だいかんのこう | 一年で最も寒い時期(大寒)を表す。季節感の強い最も標準的な表現。 | 1月20日頃~2月初旬 | 大寒の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。 |
| 晩冬の候 | ばんとうのこう | 冬の終わりを意味する。厳しさの中に季節の移ろいを感じさせる。 | 1月下旬~2月初旬 | 晩冬の候、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。 |
| 酷寒の候 | こっかんのこう | 寒さが極限まで厳しい様子を表す。非常に硬く格式高い表現。 | 1月下旬 | 酷寒の候、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 |
| 積雪の候 | せきせつのこう | 雪が降り積もる様子を表す。寒冷地の相手や雪の日などに好適。 | 1月下旬~2月 | 積雪の候、皆様にはますますご健勝のことと存じます。 |
| 春近しの候 | はるちかしのこう | 立春(2月4日頃)を目前に控え、春を待つ明るい兆しを含んだ表現。 | 1月25日頃~1月末 | 春近しの候、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 |
「大寒の候」は、1月下旬を象徴するもっとも汎用性の高い表現で、1月20日頃から2月の立春前まで広く使用可能です。次に「晩冬の候」は、冬の締めくくりを表す言葉で、季節感とともに品格を感じさせます。「酷寒の候」や「積雪の候」は、寒さや天候が厳しい時期にぴったりの定番フレーズで、ビジネス書簡・挨拶状にも最適です。
一方、「春近しの候」は、厳しい冬の終わりと次の季節への期待を感じさせる響きを持ち、前向きな印象を与えたい私信や季節の便りで使うと効果的です。
1月下旬の漢語調表現は、寒さのピークを伝えつつも、その先に春を見据える情緒を添えることがポイント。文面では、これらの挨拶語に続けて「寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ」など、相手を気遣う一文を加えるとより丁寧な印象になります。
口語調:暦の上では大寒を迎え、寒さもひとしおでございます/冬枯れの景色に春を待つ今日このごろ/日毎に春の訪れが待ち遠しく感じられるようになりました
1月下旬になると、一年で最も寒い「大寒」の時期を迎え、冷え込みが極まるのを実感するようになります。 連日のように厳しい寒波が訪れる一方で、夕暮れ時が少しずつ遅くなるなど、かすかな光の明るさに春の気配を感じ始める季節でもあります。そのため、この時期の口語調の挨拶では、厳しい寒さの中にも、立春を待ちわびるような温かな希望を感じさせる表現が適しています。
相手の健康や暮らしを気遣いながら、冬の終わりが近いことを静かに伝えることで、前向きで温かみのある印象を残すことができます。
| 表現 | 意味・ニュアンス | 使用目安 | 使用例 |
| 暦の上では大寒を迎え、寒さもひとしおでございます | 一年で最も寒い時期であることを描写した表現。季節の節目を印象的に伝えられる。 | 1月20日頃~末日 | 暦の上では大寒を迎え、寒さもひとしおでございます。どうぞお体を大切にお過ごしください。 |
| 冬枯れの景色に春を待つ今日このごろ | 厳しい冬の風景の中に、次の季節を心待ちにする情緒を伝える柔らかな言葉。 | 1月下旬 | 冬枯れの景色に春を待つ今日このごろ、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 |
| 日毎に春の訪れが待ち遠しく感じられるようになりました | 寒さのピークを越え、立春を心待ちにする実感を込めた定番の口語表現。 | 1月下旬~2月初旬 | 日毎に春の訪れが待ち遠しく感じられるようになりました。風邪など召されませんようご自愛ください。 |
「暦の上では大寒を迎え、寒さもひとしおでございます」は、極まる寒さを肌で感じる情景をそのまま言葉にした表現で、冬の深まりを穏やかに伝える定番フレーズです。続いて「冬枯れの景色に春を待つ今日このごろ」は、晩冬から初春への移り変わりを自然に表現できる便利な言い回しで、ビジネス・私信のどちらにも使いやすい一文です。
また、「日毎に春の訪れが待ち遠しく感じられるようになりました」は、寒冷の厳しさを丁寧に伝えながら、その先にある明るい季節への気遣いを添えやすい柔らかな表現です。
これらの口語調表現は、堅すぎず、読み手に寄り添う印象を与えます。特に1月下旬は、寒さが極まりつつも、立春(2月4日頃)という年末年始とは別の「新しい始まり」を迎える前の静かな季節。挨拶文においては、「大寒」「春の兆し」「健康」といった言葉を組み合わせ、季節を感じさせながら思いやりを伝えることが大切です。
1月下旬に使える時候の挨拶の選び方
1月下旬は、冬の寒さが極まる「大寒」から「立春(初春)」へと向かう季節の移行期。挨拶文では、一年で最も厳しい寒さを共有しつつ、春の訪れを静かに待ちわびる表現を選ぶと自然です。
「大寒の候」や「晩冬の候」は、冷え込みが最も強まるこの時期にぴったりの格式高い表現で、ビジネス文書や公式な案内状、寒中見舞いに最適です。一方、「春近しの候」は、冬の終わりと次の季節への希望を漂わせることができ、私信や季節の便りに向いています。
口語調では、「大寒」「春の兆し」「厳しい寒さ」といった身近な季節の描写を取り入れると、あたたかみと親しみを感じさせる文章になります。フォーマルさを保ちながらも、寒さの中に相手を思いやる心を込めた挨拶を送りたいときに最適な時期です。

誤用しやすいポイントと注意点
1月は、「新春」や「初春」といったおめでたい言葉から、「寒中」「厳寒」といった冬の言葉まで幅広く使える月です。
しかし、その分、時期や使い方を誤ると違和感のある表現になってしまうこともあります。
ここでは、特に注意したい3つのポイントを解説します。
二十四節気とのズレ:暦と体感にズレがある点に要注意
1月には「小寒(1月5日頃)」と「大寒(1月20日頃)」という二十四節気がありますが、実際の気温や体感とは必ずしも一致しないことがあります。
たとえば、暦の上では「大寒」を過ぎると春に向かう時期とされますが、実際には2月にかけてが最も雪深く、寒さが底を打つ地域も多く見られます。また、1月下旬に「春近しの候」という表現を使っても、北国ではまだ厳冬の真っ只中であるなど、地域差が非常に大きい時期です。
そのため、二十四節気に基づいた表現を使う際は、相手の住む地域の気候や、その年の実際の冷え込み具合を考慮することが大切です。あまりに現実の天候とかけ離れた挨拶(例:記録的な大雪の日に「春の兆し」など)を使うと、形式的すぎて違和感を与えてしまう場合があるため、臨機応変な言葉選びが求められます。
地域差や気候変動にも対応:寒さの厳しさや雪の状況は年によって異なる
近年は気候変動の影響もあり、年明けから急激に冷え込む年もあれば、1月とは思えないほど穏やかな陽気が続く年もあります。たとえば、日本海側や北日本では早くから豪雪や厳寒に見舞われるのに対し、太平洋側の都市部では乾燥した晴天が続き、冬の厳しさの質が異なることも珍しくありません。
このような地域差を踏まえ、雪の多い地域の相手には「積雪の候」や「極寒の候」といった現状に即した表現を選び、比較的暖かい年であれば「例年になく穏やかな新春」といった言葉を添えるのが自然です。
反対に、急な寒波が襲った場合には、予定していた「春近し」などの表現を控え、「厳寒の候」や「底冷えのする毎日」といった、今現在の体感温度に合わせた言葉へ切り替える柔軟さが求められます。
漢語調は硬くなりすぎないよう、相手との関係性を配慮
漢語調の表現(例:「厳寒の候」「晩冬の候」など)は格式が高く、ビジネスや公式文書に適していますが、過度に形式的になると、冷たく事務的な印象を与えることもあります。
特に親しい関係の相手や、日常的なメールの場合は、「寒中お見舞い申し上げます」「正月気分も抜け、寒さが本格的になってまいりました」など、口語調で柔らかく伝えると、より親近感がわき自然な印象になります。
1月の時候の挨拶は、正確さだけでなく、一年で最も寒い時期に相手を気遣う**「思いやり」**を込めて使うことが何より大切です。暦や形式にとらわれすぎず、新年の余韻や実際の寒さの厳しさ、そして相手との距離感に合わせて柔軟に使い分けましょう。
まとめ:1月の時候の挨拶早見表
新春の慶びから一年で最も寒い「大寒」へと移り変わる1月は、上旬・中旬・下旬で挨拶の性質が「お祝い」から「お見舞い」へと大きく変化する月です。そのため、時期に合わせた適切な切り替えが大切になります。
- 上旬は、新しい年を祝う「新春」「初春」など晴れやかな表現
- 中旬は、松の内が過ぎ、寒さが本格化する「寒中」を意識した表現
- 下旬は、寒さが極まる「大寒」や、春を待ちわびる「晩冬」の表現
これらを意識した言葉を使うと、マナーを守りつつ季節感の伝わる丁寧なコミュニケーションになるでしょう。
| 時期 | 漢語調(格式高い表現) | 口語調(やわらかい表現) | 季節の特徴 |
| 上旬 (〜1月7日頃) | 新春の候/初春の折/松の内の候 | 清々しい初春をお迎えのことと存じます/新年あけましておめでとうございます | 新しい年を迎え、清々しく希望に満ちた時期。松の内(7日まで)は祝辞が中心。 |
| 中旬 (1月8日〜20日頃) | 寒中の候/小寒の候/厳寒の折/隆冬の候 | 寒中お見舞い申し上げます/正月気分も抜け、寒さが本格的になってまいりました | 正月飾りが外れ、日常が戻る時期。二十四節気の「小寒(寒の入り)」を過ぎ、寒さが増す。 |
| 下旬 (1月21日以降) | 大寒の候/晩冬の候/酷寒の候/春近しの候 | 暦の上では大寒を迎え、寒さもひとしおでございます/日毎に春の訪れが待ち遠しく感じられます | 一年で最も寒い「大寒」の時期。厳しい寒さの中にも、立春に向けた春の兆しを探し始める。 |
1月は、華やかな「新春」から厳しい「寒中」へと季節が動きます。上旬では「新しい始まりの喜び」を、下旬では「寒さへの労わり」を意識した表現を選ぶことで、挨拶文に自然な流れと深みを持たせることができます。
ビジネスシーンでは「新春の候」「大寒の候」などの漢語調を、親しい相手への手紙やメールでは「寒中お見舞い申し上げます」などの口語調を使い分けると、より相手の心に響く挨拶文になるでしょう。



