Q. 住民税の6月分はいつの給与から天引きされますか?
- 住民税を給与から天引きする場合のタイミング
- 住民税の天引き金額が変更される時期
給与計算を担当しています。毎年5月ごろに住民税の決定通知書が各自治体から届くと思いますが、6月の住民税はいつの給与から天引きすればいいのでしょうか?
今年から初めて住民税が発生する従業員がいるため、確認しておきたいです。
また、会社の納付期日についてもご教示いただきたいです。
A. 原則「6月に支給する給与」から住民税額を控除します
結論申し上げますと、住民税の6月分は6月に支給する給与から控除します。
なお控除した住民税は、翌月7月10日に納付する責任がありますので、会社のご担当者様はご注意くださいませ。
注意点としましては、会社によっては締め日・支給日によって「6月の給与」の考え方が違う場合があります。
例えば月末締め・翌月20日払いの会社の場合「6月の給与」が
- 6月の仕事に対して支払う給与(6月1日〜6月30日の仕事に対して、7月20日に支払う給与)
- 6月中に支払う給与(5月1日〜5月31日の仕事に対して、6月20日に支払う給与)
会社によって上記①と②のどちらになるのか、考え方が異なることがあります。
これは、結論「支払月ベース」になりますので②が一般的な取扱いです。基本的には「6月に振り込む給与」と考えていただけるとわかりやすいかもしれません。
住民税とは?
住民税は、従業員個人に課税される税金の一つで、所得税と同じく給与から天引きされることが一般的です。
所得税は所得が発生したタイミングで税額を計算しますが、住民税は前年の所得から一年間の税額が計算されます。そのため、高校や大学を卒業し、初めて就職した方は社会人2年目の6月から住民税が徴収されることになります。
令和5年を例にしますと、令和5年1月から12月までを一つの期間として収入が計算され、令和6年6月から控除すべき住民税が決定されます。そのため、住民税は所得税とは異なり「後払い」するイメージです。
会社の担当者目線としては、
- 給与から従業員本人の住民税額を間違えずに控除する
- 翌月10日までに、従業員から徴収した住民税を各地方自治体に収める
上記対応が必要になりますので、正確な対応が求められます。
住民税額は毎年6月に変わる?
一年間の課税対象となる収入金額が変わると、翌年6月から対象となる住民税額も当然変わることなります。そのため、
- 会社を退職して一時的に給与がなかった人
- 昇給があり大幅に給与額が変更した人
このような場合、現在支払っている住民税額には影響ありませんが、翌年の住民税額に反映される形になります。
住民税は誰が収める必要がある?
住民税は、従業員個人に課せられる税になります。1年間の収入に応じた住民税額が税務署・各市役所によって決定され毎年6月から翌年5月まで一年間掛けて納付しなければなりません。
この住民税の納付については「特別徴収」と「普通徴収」の2つの方法があります。
- 特別徴収
- 会社が従業員の給与から毎月住民税額を天引きして納付する方法
- 普通徴収
- 自宅に納付書が送られてくるため、その納付書をもとに第1期から第4期まで4回に分けて納付方法
基本的に、会社員の方は特別徴収、個人事業主や無職の方は普通徴収となることが多いでしょう。
社会保険労務士によるワンポイント解説
住民税は、毎年6月の給与から天引きすることが一般的ですので、給与担当者の方は適切に控除金額が反映できているのか確認しておきましょう。また、住民税額自体は年末調整を行った後に市区町村に提出する「給与支払報告書」から税額が算出されます。
そのため、給与支払報告書の提出が期日までに行う必要がありますので、ご注意ください。
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矢野 貴大
TSUMIKI社会保険労務士事務所/代表・社会保険労務士
金融機関・社会保険労務士法人・国内大手コンサルティング会社を経て大阪で社会保険労務士事務所を開業。
25歳で社労士資格を取得した後、社会保険労務士・経営コンサルタントとして延べ200社を超える企業・経営者をサポートする。その経験を活かし「想いを組み立て、より良い社会環境を形づくる」というMISSIONに向かって日々活動中。