もう迷わない!社会人のための研修レポートテンプレート&記入例付き

社会人として研修を受けたあとに求められる「研修レポート」。いざ書こうとすると「何を書けばいいの?」「どこまで詳しく書けばいい?」と手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。特に新人や異動直後の社員にとっては、初めてのレポート作成が不安の種になりがちです。
本記事では、そんな悩みをスッキリ解消するために、研修レポートの基本構成や書き方のコツをご紹介いたします。すぐに使えるテンプレートと具体的な記入例もありますので、参考になれば幸いです。
研修レポートを書く前に押さえておきたいポイント
研修レポートは単なる「感想文」ではありません。
ビジネス文書としての役割を果たす以上、書く前にいくつかのポイントを押さえておくことで、読み手に伝わる質の高いレポートに仕上がりますので、まずは基本的な心構えから確認しておきましょう。
レポートの目的を明確にする
研修レポートの最大の目的は「研修を通じて得た学びや気づきを明文化し、業務や自己成長にどう活かすかを整理すること」ではないでしょうか。
- 自身の理解を深め、知識の定着を促進する
- 上司や人事担当者に研修の効果を報告する
- 組織全体で研修内容を共有・再活用できる
単なる研修報告で終わらせず、「今後どう活かすか」「現場でどう活かせるか」といった視点を持つことが重要と言えるでしょう。
誰に読まれるのか読む相手を意識する
レポートは読む人がいて初めて価値が生まれます。読み手の立場を意識することで、内容や表現に工夫が生まれ、伝わりやすくなります。
たとえば以下のような読み手が考えられます。
- 上司(研修の成果を確認したい)
- 人事部(研修の改善点を把握したい)
- 同僚(研修内容を共有したい)
それぞれの立場によって求める情報は異なるため、「誰に向けて書くのか」を意識しながら文章を構成することが肝心です。たとえば専門用語の多用は避け、背景知識のない人でも理解できるように丁寧に説明するといった配慮が求められるでしょう。
レポートに必須の基本情報:概要の確認
研修レポートには「何を学んだか」だけでなく、事実としての研修情報も正確に記載する必要があります。これらの基本情報が整っていることで、レポートの信頼性が増し、後から内容を振り返る際にも役立ちます。ここでは、最低限押さえておきたい項目をご紹介します。
所属・氏名・作成日・研修名
レポートの冒頭には、以下の情報を明記しましょう。これらは報告書としての形式を整えるために欠かせない要素です。
研修レポートの冒頭に書くべき基本情報
- 所属部署名:自分がどの部門に属しているかを記載
- 氏名:正式なフルネームで記載(必要に応じて社員番号も)
- 作成日:レポートを提出する日付(西暦で統一)
- 研修名:受講した研修の正式名称(例:「新入社員ビジネスマナー研修」)
これらは、読む側が「誰の、どの研修に関するレポートか」をすぐに把握するための重要な情報です。
研修日時・場所・講師名
次に、研修の開催概要を簡潔にまとめて記載します。これにより、研修の実施背景や環境が明確になり、内容への理解も深まります。
レポートで記載したい研修の開催概要
- 研修日時:開始日・終了日、または時刻まで(例:2025年8月20日 9:00〜17:00)
- 研修場所:社内会議室、外部研修センター、オンラインなど
- 講師名:講師の氏名と所属(可能であれば肩書きも記載)
これらの情報は特に人事部や研修担当者が重要視する項目です。後日、他の社員への参考情報として使われることもあるため、正確に記録しておきましょう。
内容を整理!研修レポートの構成
いざ研修レポートを書こうとしても、「どこから手をつければいいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。そこで役立つのが、定番の構成フレーム「序論・本論・結論」です。この型に沿って書けば、読みやすく、論理的なレポートに仕上がります。それぞれのパートで意識すべきポイントを解説します。
序論:研修の背景・目的
レポートの冒頭では、なぜこの研修を受けたのか、その背景や目的を明記しましょう。読み手にとっても、内容を理解する上での前提情報になります。
- 研修の参加動機(例:新しい業務への適応、スキル向上)
- 部署や職種との関連性
- 会社の方針や上司の意向が背景にある場合はそれも補足
このパートは文章量を多くする必要はありませんが、主観だけでなく客観的な視点も交えて書くと説得力が増します。
本論:研修内容の要点・学び
この部分がレポートの中心です。実際にどのような内容があったのか、どのような気づきや学びがあったのかを具体的にまとめます。
内容を具体的にまとめるコツ
ただ「勉強になった」「有意義だった」といった抽象的な表現では、読み手に伝わりません。以下のようなポイントを押さえて、内容を具体的に記述しましょう。
- 講義のテーマやキーワード
- 印象に残ったエピソードや講師の言葉
- 実際の演習やグループワークで得た気づき
可能であれば「箇条書き」と「まとまった文章」を組み合わせると、情報の整理がしやすくなります。
客観的事実と主観的感想のバランス
本論では「客観的な内容」と「主観的な気づきや感想」をバランスよく盛り込むことが大切です。
客観的事実
- 研修で扱われたテーマ、資料の内容、講義の進行など。例えば次のような内容が考えられる。
- 「研修では『クレーム対応の基本』について講義が行われた」
- 「グループワークでは実際のクレーム事例を使ってロールプレイを行った」
- 「講師は“傾聴”を最も重要なスキルとして強調していた」
- 「〇〇理論についての解説があり、図解を用いたスライドが印象的だった」
 
主観的感想
- それに対する自分の意見や印象、心に残った点。例えば次のような内容が考えられる。
- 「クレーム対応についての知識が曖昧だった自分にとって非常に有意義な内容だった」
- 「ロールプレイで緊張したが、実践を通じて理解が深まったと感じた」
- 「“傾聴”という言葉の重みを改めて実感した」
- 「図解を見たことで、これまで曖昧だった概念がクリアになり、理解が進んだと思う」
 
たとえば、「〇〇という考え方が紹介されました。これまでの自分にはなかった視点で、非常に新鮮に感じました」といった形で書くと、自然な流れになります。
結論:成果・感じたこと・今後の活かし方
レポートの締めくくりとして、研修を受けたことで得た成果や、感じたこと、今後どのように実務へ活かすかを記載します。
- 研修後の意識の変化
- 今後の行動計画(例:「このスキルを活かして業務効率化を図りたい」)
- チームや組織への貢献の意識
結論パートは、読み手に「この研修は有意義だった」と感じてもらえるかどうかを左右する重要な部分です。前向きで具体的な表現を心がけると良いでしょう。
研修レポートの書き方のコツと文章の見せ方
どれだけレポートの内容が充実していても、読みにくい文章では伝わりません。
ビジネス文書としての研修レポートでは、「読みやすさ」と「伝わりやすさ」が非常に重要です。ここでは、読み手に好印象を与える文章の工夫や注意点を解説します。
読みやすい文体を選ぶ(です・ます調など)
基本的には、丁寧で落ち着いた印象を与える「です・ます調」を使用しましょう。これはビジネス文書における標準的な文体であり、読み手にも受け入れられやすい形式です。
避けたい文体例
好ましい文体例
特に新人や若手社員の場合は、謙虚さと真剣さが伝わる「です・ます調」をベースに書くと良いでしょう。
表現の統一と誤字脱字の確認
レポート全体の印象を左右するのが、「表現の統一」と「誤字脱字の有無」です。内容の正確さや論理性だけでなく、こうした基本的な部分も読み手はしっかりチェックしています。
- 時制や文体はレポート全体で統一する(「〜した」「〜している」などが混在しないように)
- 同じ用語は同一の表現で統一(例:「ビジネスマナー研修」⇔「マナー研修」などのブレを避ける)
- 誤字・脱字は必ず見直し、可能であれば第三者に確認してもらう
特に提出前には軽く「音読」してみると、違和感に気づきやすくなります。
ストーリー性と行動計画の提示
単なる事実の羅列ではなく、「読んでいて流れが伝わる」ようにストーリー性を意識すると、レポートの質が一段と上がります。
- 研修前の自分 → 研修中に気づいたこと → 研修後の変化や意識
- 一つのエピソードを通じて、自分の成長を具体的に描く
- 学んだ内容をどのように実務へ落とし込むか、行動計画をセットで記載
例えば、「講師の〇〇氏から紹介された“傾聴の技術”は、これまでの自分にはなかった視点でした。今後は、週1回の1on1ミーティングで意識的に取り入れてみようと思います」といった記述が好ましいでしょう。
このように、読み手が「具体的にどう活かすのか」がイメージできる構成が理想です。
評価される研修レポートを目指すために
せっかく時間をかけて書くなら、読み手に「良いレポートだ」と思われる内容にしたいものです。単なる形式的なまとめではなく、説得力や主体性が感じられるレポートは評価されやすく、信頼も高まります。ここでは、そのために意識すべき3つのポイントをご紹介します。
具体的な例やデータで説得力アップ
抽象的な表現よりも、具体的な事実や数値、エピソードを交えることで、レポートの説得力は格段に上がります。
- 数字を使う:「〇〇%の改善が見込まれる」「参加者のうち8割が〜と回答」
- 実際の発言を引用:「講師が『〇〇を意識することが成長の鍵です』と強調していた」
- 自身の経験と結びつける:「自分の業務においても、この考え方を活用できる場面が多々あると気づいた」
ただし、情報の正確性には十分注意し、あくまで研修内容と関連のある範囲で具体性を持たせることが大切です。
反省点・改善策を自分の言葉で書く
自己評価を含む「反省点」や「今後の改善策」は、レポートの中でも読み手の関心が高い部分です。
ここでのポイントは、テンプレート的な反省文ではなく、自分の言葉でリアルな気づきを表現すること。
曖昧な表現例
具体的な表現例
等身大の課題認識と、それに対する改善策があることで、「主体的に取り組んでいる」という印象を与えることができます。
読み手目線での再チェックポイント
最後に、レポートを仕上げる際には「読み手の視点」で全体を見直すことが欠かせません。チェックすべき主なポイントは以下の通りです。
- 読みやすさ:文章が長すぎたり、漢字が多すぎたりしていないか
- 理解しやすさ:業界用語や略語に補足説明があるか
- 構成の流れ:序論→本論→結論の流れに沿っているか
- 伝えたいことが明確か:一番強調したいメッセージが伝わる構成になっているか
一度時間を置いてから読み返す、あるいは同僚に読んでもらうのも効果的です。評価されるレポートは、「読みやすく、分かりやすく、納得感がある」ことが基本なのです。
【研修レポートの具体例】実例・テンプレートを紹介
ここでは、実際にそのまま使える研修レポートのテンプレートと、記入例・便利なフレーズ集をご紹介します。これらを活用することで、誰でもスムーズにレポート作成に取り組めるようになるでしょう。
テンプレート例
以下は、ビジネスシーンで一般的に通用するフォーマットです。WordやGoogleドキュメントに貼り付けて、自分の内容に置き換えてご活用ください。
| 各構成 | 具体的な記載例 | 
|---|---|
| 冒頭 | 所属部署:〇〇部 氏名:〇〇 〇〇 作成日:2025年〇月〇日 研修名:〇〇研修 実施日時:2025年〇月〇日(〇曜日)〇:〇〇〜〇:〇〇 実施場所:〇〇会議室/オンライン(使用ツール:Zoomなど) 講師名:〇〇〇〇氏(〇〇会社/部署/肩書) | 
| 【序論】研修の目的と背景 | 今回の研修は、〇〇スキルの習得を目的として実施されました。 私自身、〇〇の業務に携わる中で、〇〇への対応力を強化する必要性を感じており、本研修に参加しました。 | 
| 【本論】研修内容と学び | 研修では、主に以下の内容が扱われました。 〇〇に関する基礎知識の習得 ロールプレイを通じた実践練習 講師によるケーススタディの解説 中でも特に印象に残ったのは「〇〇理論」です。〇〇という視点は、私の業務にも応用できると強く感じました。 | 
| 【結論】成果と今後の活かし方 | 今回の研修を通じて、〇〇に対する理解が深まり、今後の〇〇業務においてより的確な対応が可能になると実感しています。 まずは来月の〇〇プロジェクトで今回の学びを実践に移し、継続的にスキルを定着させていきたいと考えています。 | 
実際の例文と使えるフレーズ集
以下は、レポートの中で活用しやすいフレーズや表現例です。自分の体験に合わせてアレンジして使用しましょう。
目的・背景のフレーズ
- 業務に必要な〇〇スキルを身につけるために受講しました。
- 新たな役職に就くにあたり、〇〇の理解を深める必要がありました。
- チーム内で〇〇に関する課題があり、その解決策を学ぶための参加です。
学び・気づきのフレーズ
- 〇〇という考え方は、これまでの自分にはなかった視点でした。
- グループワークを通じて、他部署の考え方にも触れることができました。
- 講師の「〇〇」という言葉が特に印象に残りました。
今後の活用・行動計画のフレーズ
- 学んだ〇〇を、〇〇業務の中で意識的に取り入れていきます。
- 今後は〇〇という姿勢を持って、後輩指導にも活かしたいと考えています。
- 定期的に自分の〇〇スキルを振り返り、継続的に改善していきます。
これらを参考にすることで、自分らしい、かつ読み手に伝わるレポートを作成することが可能になります。
まとめ:迷わず、伝わる研修レポートを目指そう
研修レポートは、学びを自分の中で整理するだけでなく、周囲と共有し、行動へとつなげる重要なビジネスツールです。今回ご紹介したポイントやテンプレートを活用いただき、「何を書けばいいのか分からない」という不安の解消につながればと思います。
特に大切なのは、
- 読み手を意識すること
- 主観と客観をバランスよく組み合わせること
- 今後の行動にどうつなげるかを明示すること
の3点です。
本記事のテンプレートやフレーズ集が、研修レポート作成の一助になれば幸いです。


 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			
